2018年 11月 16日 (金)

正恩氏、またご立腹 鉄道手抜き工事で「やり直せ」

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   北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が、また視察現場でご立腹だ。北東部にある三池淵(サムジヨン)地域での出来事だ。朝鮮中央通信など国営メディアが2018年8月19日、報じた。

   正恩氏は三池淵に通じる鉄道の路盤工事が不十分で「列車の振動が激しく、速度を出せない」と指摘。工事のやり直しを指示した。この地域は、故・金正日総書記の生誕地だと北朝鮮が主張する白頭山がある場所で、正恩氏はたびたび視察に訪れている。それだけに怒りも大きかったようだ。

  • 三池淵を現地指導する金正恩氏。建物の建設現場では笑顔を見せていたが…(写真は労働新聞から)
    三池淵を現地指導する金正恩氏。建物の建設現場では笑顔を見せていたが…(写真は労働新聞から)

工事は「仕上げの段階」で、試験運行も行われていたが...

   正恩氏が問題視したのは両江道(リャンガンド)恵山(へサン)市と三池淵を結ぶ鉄道。一部区間は日本統治下で建設が進み、北朝鮮建国後に完成していたが、後に洪水などで不通になっていた。そこで、線路を修復したりルートの一部を移設したりする工事が進んでいた。米政府系のラジオ局「自由アジア放送」(RFA)が15年に報じたところによると、全長は約64キロメートルに及ぶ。

   国営メディアでは

「冬季の期間にトンネルと路盤工事、擁壁工事を終えるとともに春から駅舎、住宅の建設など建築工事を早めるための準備を進めている」(17年2月3日)

   といったように、たびたび工事の様子が報じられており、17年12月9日には正恩氏の現地指導の様子も報じた。それによると、正恩氏は

「恵山―三池淵鉄道周辺の撤去世帯の住宅と新たな住宅の建設を早めることに力量と手段を集中して、一日も早く完工すべきである」
「(工事を担当している)216師団建設者の力強い闘いによって恵山―三池淵鉄道工事が完工を目前にしており、白頭大地の酷寒の中でも重要建設において奇跡のような成果が収められている」

などと現場を激励。18年5月には、工事は「仕上げの段階」で、試験運行が行われていると報じられた。

路盤の手抜き工事で「列車の振動が激しく、速度を出せない」

   ところが、18年8月19日に国営メディアが報じた視察では一変。正恩氏は「路盤工事が立派にできていない」ことを指摘し、路盤の硬さと傾斜を測定し、技術工法の要求する水準で工事を行わなかったため、

「列車の振動が激しく、速度を出せない」

ような状態に建設された、とも非難した。その上で、19年までに路盤補修工事をやり直して路線を完成させるように指示した。RFAによると、建設は12~13年頃に始まったと推定されている。「完工を目前」になるまで約5年がかかったことを考えると、19年の開通には、相当な「速度戦」が要求されそうだ。

   正恩氏が現場に「ダメ出し」するのは今回が初めてではない。7月17日には、国営メディアが現地指導に関する記事を8本も一斉に配信し、そのうち4本で、正恩氏の不満が報じられた。その多くが劣悪な衛生状態や工期の遅れを指摘する内容で、休養所にある風呂場の視察では

「薄暗くて非衛生的だ。このような環境で治療になるのか。本当に汚い」

とぶちまけ、内閣メンバーの怠慢ぶりには、不満を「激して述べた」ほどだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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