2024年 4月 20日 (土)

高橋洋一の霞が関ウォッチ
ふるさと納税に過剰規制はいらない 野田大臣の「見直し」論を検証する

本当の「本来の趣旨」とは

   返礼品に上限等の規制は慎重に対応すべきだ。寄付を受ける自治体が持ちだしてまで高額な返礼品をするわけではない。「足による投票」を推進する立場にたてば、過剰な規制はいらない。そうした規制を望むのは、政府(官僚)による配分が絶対に正しいと見るからであろう。政府(官僚)による配分には不正もあり、「足のよる投票」の方がよりましであるとみれば、過剰な規制はふさわしくない。

   ふるさと納税への規制について、マスコミが報道するとき、かならず「本来の趣旨」という言葉が用いられる。筆者は制度創設に関わった一人だが、そのとき猛反対した総務省官僚がこの言葉を使うのは、「本来、官僚が反対したもの」を連想してしまう。筆者のところに「本来の趣旨」を聞きに来るマスコミはいない。

   野田総務大臣は、今回の総裁選に立候補できなかったが、もともと政策指向の希薄な人だ。総務官僚は自分が差配できないふるさと納税を大嫌いだが、その官僚の規制案に乗るしかない総務大臣が哀れとも言える。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「愛国のリアリズムが日本を救う」(育鵬社)など。


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