XJAPANのリーダーのYOSHIKIさんが2018年9月13日に東京・有楽町の日本外国特派員協会で開いた会見では、「あなたの音楽はどこから来るのか」といった、哲学めいた質問も出た。しばらく考えながらYOSHIKIさんが出した答えは「痛みと悲しみ」。その真意はどこにあるのか。「100年先も聞いてもらえるような曲を作りたい」この質問をした記者は、XJAPANの楽曲は「ForeverLove」のように、「非常に、聞く人が心を打たれるものがある」として、「答えるのは簡単ではないかもしれないが、あなたの音楽はどこから来るでしょうか」と問いかけた。YOSHIKIさんは「素晴らしい質問ですね」と困惑しながら、作曲のあり方について説明を試みた。YOSHIKIさん、そしてXJAPANは作品リリースの間隔が長く、寡作とされることが多いが、その内幕をこう語る。「アルバムを作るのに10年かかるなど、レコーディングに多くの時間を費やす、と言う人もいますが、作曲は毎日のようにしています。作曲するときは何も楽器は使わずに、ペンと紙だけ。飛行機の中でも作曲できます。日記を書くように作曲しています。ほとんど『1日1曲』、あるいはそれ以上」YOSHIKIさんにとって難しいのが、膨大な楽曲からどの曲をレコーディングして後世に残すかだ。その例として挙げたのがベートーベンやモーツアルトだ。「ベートーベンやモーツアルトを思い起こすと、いくつかの曲は知っているものの、全部を知っているわけではありません。交響曲第5番、第9番のように、数百年後の人の心に残るものを作曲したいと考えています。死ぬまでにどれだけ多くの曲を作れるか、分かりませんが、100年先も聞いてもらえるような曲を作りたいです」「父の死」がもたらした影響YOSHIKIさんが「質問に答えられているか分かりませんが...」ともらしたところで、記者が「音楽は自然に浮かんでくるのでしょうか」と追加質問。YOSHIKIさんは、大きく2つのパターンがあることを明かした。「空から降ってくる?そうかもしれません。義務のように、とにかく何か書かないといけない、というのがひとつで、時には、自然に空かどこかから降りてくる、ということもあります」YOSHIKIさんは記者会見の中で、父親が自殺し、その後に母親から買ってもらったドラムで音楽に打ち込んだエピソードを明かしている。YOSHIKIさんは改めて父親に言及しながら、当初の質問の答えにたどりついた。「作曲するときにいつも考えているのが、『なぜ、今自分はここに存在しているのか』。何度も父の話をして恐縮ですが、もし音楽がなければ、生きていけなかったでしょう。痛みや悲しみの全てを音楽に込めています。おそらく、自分の音楽は『痛みと悲しみ』から来ているのだと思います」(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
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