「優等生」のウラの顔 スルガ銀「驚愕パワハラ」の全貌
2018.09.15 15:00
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上から下まで蔓延した不正体質
「パワハラ上司」に「厳しいノルマ」を課せられ、手を出したのが審査書類などの偽装だった。例えば投資家の収入関係資料を偽装して返済原資を多くみせていたほか、非現実的で高額な家賃を設定して、賃料収入を多く見せかける偽装も行われていた。偽装が疑われる件数は2014年以降795件あった。
案件をチェックする審査部門も機能していなかった。審査担当者は偽装などの問題点について早い段階から把握・認識していたが、営業部門から強圧的に「ごり押し」され、結局、押し通されていた。不動産ローン全般の審査承認率は、2008年度上期~10年度上期は80~90%で推移していたが、14年度下期以降は99%超と、ほぼスルー状態になっていた。
創業家の岡野光喜会長(9月7日付で辞任)ら経営陣は、取締役としての義務を果たさず、ガバナンスに問題があった。上から下まで蔓延した不正体質。信頼回復への道のりは厳しそうだ。