2024年 4月 25日 (木)

高橋洋一の霞が関ウォッチ
原発めぐる「火山リスク」 見直すべき「これだけの理由」

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   広島高裁の三木昌之裁判長は、愛媛県の四国電力伊方原子力発電所3号機の運転再開を認めた(2018年9月25日)。同高裁の野々上友之裁判長(当時)は、昨17年12月に運転差し止めを命じていたが、今回それを取り消した。なお、野々上裁判長は、その命令後に退官している。

   昨年12月の決定文は400ページを超えているが、今回は80ページほどだ。昨年のものは、読むのも大変だったが、いろいろな検討点が書かれており、その意味では参考になる。新規制基準の合理性について、地震、耐震設計、使用済燃料、地すべり、制御棒、津波、火山、シビアアクシデント、テロの9項目から検討している。ここで、火山以外の項目は伊方原発運転の差し止めの根拠にならないと言っている。しかし、火山は別で、9万年前の阿蘇カルデラでの破局的噴火を想定した場合、その影響を考えざるを得ないとして、運転差し止めを命じた。

  • 四国電力のホームページより
    四国電力のホームページより
  • 四国電力のホームページより

伊方原発の稼働年数と「破局的噴火」の確率

   伊方原発はもったとしてもあとせいぜい40年である。その40年の間に、阿蘇の破局的噴火が起こる確率を考えてみたらいい。

   筆者は、この問題をニッポン放送のラジオ番組で解説した。破局的噴火はだいたい1万年に1回であるが、ちょっと考えにくいので、隕石の地球の突入で人が死ぬ確率を考えてみた。大雑把であるが、隕石事故は100年に1回くらいはあるとしよう。ラジオ放送中に、筆者が隕石によって死ぬリスクは確かにゼロではなく、ある。そのリスクがあるから、今ラジオ放送を中止したらどうなるのか、とラジオ放送で言った。そのくらい、阿蘇の破局的噴火を運転差し止めの理由にするのは馬鹿馬鹿しいことだ。

   阿蘇の破局的噴火で、四国の伊方原発を気にするくらいなら、九州は人が住めないだろう。だからといって、今九州への居住禁止にするのだろうか。四国の伊方原発が火砕流に巻き込まれるなら、川内原発や玄海原発も同様である。もっとも、そのときには残念ながら九州には人は住めないだろうから、原発対策をしても意味がないという笑い話にもなる。

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