佐喜真氏惨敗の沖縄知事選 公明支持者が「3割」も相手陣営に投票した理由
玉城氏の事務所に創価学会のシンボル旗掲げた人まで
公明党は、故・翁長雄志知事が大勝した14年の県知事選では自主投票を選択。県本部は移設反対の立場を堅持している。
8月20日に県本部は佐喜真氏と政策協定を結んだが、そこでは基地問題は「封印」。翌21日に党本部は佐喜真氏の推薦を決めた。党本部としては、沖縄県知事選で自民党に「貸し」をつくることで、改憲に向けた安倍政権の動きをけん制する狙いもあるとみられるが、県本部の行動の整合性に疑問を持った支持者も相当数いたようだ。
玉城氏の選挙事務所には、公明党の支持母体である創価学会のシンボルの3色旗を掲げた男性まで現れ、当確を報じるテレビや動画配信の画面に映し出された。
これに近い「ねじれ」は、かつての自民党でも起こった。自民党が政権に復帰するきっかけになった12年の衆院選で、自民党の候補者は沖縄県の小選挙区から「県内移設反対」を掲げて出馬。4つある小選挙区のうち3つで当選し、残る1つも比例復活で議席を確保した。
ところが、自民党が政権に復帰すると、辺野古移転を推進する党本部と、それに反対する沖縄県連との「ねじれ」が顕在化。結局は13年末に県連や県選出の国会議員が辺野古容認に転じ、「ねじれ」は解消されたが、「党本部による踏み絵」「公約破り」などとして禍根を残した。
14年の衆院選では4つの選挙区で自民は「全敗」し、4人とも比例復活。17年は4区で西銘恒三郎氏が当選し「1勝3敗」。比例復活したのも1区の国場幸之助氏だけだった。
なお、台風24号の接近で県選管が早めの投票を呼びかけたこともあって、有権者の約35%にあたる40万6984人が期日前投票で投票している。全体の投票者数は72万5254人で、全体の56.1%が期日前投票を利用したことになるが、各社の出口調査では期日前投票はカバーされていない。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)