2018年 10月 23日 (火)

スズキ「中国切り&インド注力」の決断 EV対応めぐり正念場

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   スズキが中国での自動車生産から手を引く。中国の重慶長安汽車との合弁会社「重慶長安鈴木汽車(長安スズキ)」にスズキは50%出資するが、年内をめどに全てを重慶長安に譲渡するのだ。長安スズキは重慶長安の子会社として存続、スズキが重慶長安にライセンス供与する形で、当面はスズキのマークが付いた小型車の生産を継続する。

   スズキは重慶長安と1993年9月に長安スズキを設立。95年5月から小型車「アルト」などを生産していたが、2011年の約22万台をピークに、17年は約7万6000台にまで落ち込んでいた。

  • スズキが中国から撤退し、インドに拠点を移す(画像はイメージ)
    スズキが中国から撤退し、インドに拠点を移す(画像はイメージ)

多くの日本メーカーは中国を今後の重要市場と位置付け

   スズキは2018年6月に、中国の別の合弁会社「江西昌河鈴木汽車」への出資分(46%)も全て合弁相手の昌河汽車に譲渡している。二輪車については中国での合弁事業を続けるが、今回の決定で、今や世界最大の自動車市場となった中国での四輪車の生産から全面的に退くことになる。

   多くの日本メーカーは中国を今後の重要市場と位置付け、生産・販売を強化している。日産自動車はスポーツ用多目的車(SUV)の「エクストレイル」がヒットするなど好調で、現在年産170万台の中国での生産能力を2022年には260万台に高める方針。トヨタも広州に新工場を作り、生産能力を35%ほど増やして170万台にする計画といった具合だ。

   スズキも、中国を重視したからこその進出だった。スズキといえば小型車。その製造ノウハウを活かして中国市場に、手頃な価格の車を売り込もうとしてきた。しかし、近年は所得の上昇などでSUVをはじめとする大型車が人気を集めるようになった。スズキも小型SUV「ビターラ」や「Sクロス」などを生産して立て直しを図ったが、低迷から脱することはできなかった。

   大型車人気に加え、スズキに「誤算」だったのは、中国で進む電気自動車(EV)化の流れだ。中国は2019年に、新車販売の一定割合を、EVなどの「新エネルギー車」にするよう義務づける予定。EVのラインアップを持たないスズキの撤退の背景には規制への対応が難しいこともあるとみられる。インドで車両の相互供給を行うトヨタ自動車との連携で、EV規制に対応するのではないかとの観測もあったが、その道は選択しなかった。

インドネシアで大規模工場を稼働

   スズキの決断の根底には、シェア5割を誇るインド市場での強みがある。2017年度は165万台を売り、前年度から14%も伸ばすなど引き続き好調だ。ここに経営資源を集中し、インドを拠点に世界で戦う戦略だ。ただし、12年に世界2位の米国市場での自動車販売からも撤退しているスズキの主戦場はあくまで途上国。具体的には、インドに近い中近東やアフリカは日本のメーカーにはまだまだ未開拓の市場だ。さらに、まだまだ伸び白の大きい東南アジア市場でも、スズキは15年にインドネシアで大規模工場を稼働させるなど、布石を打っている。

   とはいえ、中国市場からの撤退の影響は想像以上に大きいとの見方もある。中国のEVシフトは、単に中国の空気をきれいにするという環境問題である以上に、中国独自のEVを育て、世界に打って出るという「国策」だ。将来の中国製EVは、低コストを武器に世界へ進出し、ガソリン車に大きな脅威となる可能性があるのだ。

   スズキは、中国市場からの撤退で、「こうした世界的な自動車市場の流れから取り残され、国際市場における競争でリスクを抱える恐れがある」(業界関係者)。特にインド政府もEV普及に本格的にかじを切り始めており、遠からずEV化の波が押し寄せるのは必至だ。現状でEVの独自のラインアップを持たないスズキは、トヨタの技術的支援も受け、2020年にインドでEV車を投入する計画で、インド・グジャラート工場敷地内にリチウムイオン電池工場を設けて20年の生産開始に向け準備を進めており、18年2月にはEVのエンジンの内製にも着手している。

   EVでは一日の長がある世界のメーカーが、巻き返しを狙ってインド市場に押し寄せるのは間違いなく、現状のガソリン車での圧倒的な優位をこれからも維持していけるか、スズキにとって正念場になる。

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