「過去最大の赤字」でも「高値」更新 リコーへ期待が集まった理由
2018.10.11 07:00
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「勇気ある撤退を含めた経営判断」求める声
ところで、事務機は世界シェアトップのリコーをはじめ、日本勢の独壇場。デジタルカメラを含めた精密機械は、日本人のものづくりの底力が今なお生きている業界だ。リストラ効果などを期待する見直し買いはコニカミノルタ、富士フイルムHDなどにも及び、株価を上げている。コニカミノルタは10月1日、富士フイルムHDは10月4日にそれぞれ年初来高値を更新した。コニカミノルタは9月27日に経営説明会を開催した。営業利益見通しを据え置くなど従来の経営計画に大きな変更はなかったものの、複写機などの利益目標を引き上げたことが好感されている。
もっとも、オフィスのペーパーレス化は世界で今後も進むとみられており、いくら独壇場とはいえ、日本勢10社程度がひしめく状況が持続可能ではないとの見方は根強い。大胆に固定費を削減し、デジタルサービスなど新たな分野に注力するためにも「勇気ある撤退を含めた経営判断」(国内系証券アナリスト)を求める声が出ている。