2018年 11月 18日 (日)

完敗で王座陥落の村田諒太 「引退出来ない」これだけの理由

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   ボクシングのWBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳)が2018年10月20日(日本時間21日)、米ラスベガスで同級3位ロブ・ブラント(米国)に0-3の大差判定で敗れ2度目の防衛に失敗した。村田は試合後、完敗を認めたが、自身の去就に関しては明言を避けた。

   ブラントの左ジャブが村田の体力を奪っていった。テンポよく放たれたジャブは一見、軽そうにみえたが、村田の顔面は序盤から腫れあがった。五輪の金メダルを導いた鉄壁のガードは突き破られ、ラウンドが進むとともにポイントも失っていった。3人のジャッジが10-9でそろって村田を支持したのは、5ラウンドの1度だけ。1人が8ポイント、2人が10ポイント差を付ける大差判定負けだった。

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ブックメーカー1.17倍のオッズも...

   村田のボクシングはガードを固め、ボディーで相手の体力を消耗させ、ガードが下がったところに顔面へのパンチをつなげる。アマチュア時代からここまで貫いてきたファイタースタイルだ。

   ただ、村田の場合、べた足で追い脚がない。フットワークを駆使して左右に動き回り、中間距離からスピードのあるジャブ、ストレートを打ち込んでくるタイプとの相性は悪い。これまではマッチメイクの妙で、世界レベルのアウトボクサーとの対戦はなかった。

   ブラントは世界3位とはいえ、世界戦での実績がなく、世界的にはほぼ無名の選手。英国の大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」は戦前、村田の勝利を1.17倍と設定するなど、下馬評は村田の圧倒的優位だった。

   この一戦で村田が失ったのはベルトだけではなく、米国内での評価も失った。決して世界トップレベルではないブラントにほとんど何もできずに負けた事実は、村田の今後に大きく影響を与える。

   現在、世界のボクシング界で一番、人気のある階級はミドル級だろう。WABスーパー、WBCの2つの王座を持つサウル・アルバレス(メキシコ)を軸に、元3団体王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)、ダニエル・ジェイコブス(米国)らスター選手がしのぎを削っている。2度目の防衛戦は、このミドル級戦線の生き残りをかけたサバイバルマッチでもあった。

アルバレスを軸に巨額ファイトマネーが動くミドル級戦線

   アルバレスは今月、動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」と3億6500万ドル(約410億円)の超大型契約を結んだ。5年間で11試合を行う契約で、スポーツ選手が結んだ契約では史上最高額となる。

   チケットなどの興行収入を考慮すると、アルバレスの1試合のファイトマネーは最低でも40億円を超える。そのアルバレスへの「挑戦権」を得るためにはベルトの他に米国での知名度、人気、実績が必要である。むしろ、ベルトよりも人気が優先されるだろう。

   アルバレスとの対戦にこぎつければ、ファイトマネー10億円超えも夢ではない。村田はその「挑戦権」を失ったばかりか、ミドル級戦線からも離脱した。ブラントに勝利すれば、ゴロフキンとの東京ドーム決戦の可能性もあっただけに、失ったものの大きさは計り知れない。

   ブラントとの再戦に関して村田は「再戦を要求するような内容じゃなかったと思いますし、完敗だったので、それはボクの都合で言えることじゃない。そこは言及する必要はないかなと」と話すにとどまったが、再戦に前向きなのがプロモーターのボブ・アラム氏だ。

   村田とブラントの再戦の契約があるとして、アラム氏は来春の日本での再戦を示唆。本人の意志を棚に上げ、再戦に向けて日米メディアに猛烈アピールした。

   アルバレスは、元世界王者オスカー・デラホーヤ氏のゴールデンボーイプロモショーンと契約している。アラム氏とデラホーヤ氏は長年にわたってライバル関係にあり、犬猿の仲ともいわれている。

   アルバレスが結んだ「DAZN」との契約によって、デラホーヤ氏により大きな差を付けられたアラム氏だけに、ミドル級戦線に復活する目のある村田をやすやすと引退させる可能性は低い。

引退出来ないもうひとつの理由

   また、ボクシング界を背負っている自覚を持つ村田自身、引退出来ない理由がある。今タイトル戦の模様は「DAZN」で放送された。料金を払って(月額制)インターネットで試合を観るという、日本ボクシング界にとって新たな試みでもあった。

   最近ではボクシングの世界戦が地上波で放送されないことも少なくない。ボクシングの世界戦では、テレビの放映権料が大きな収益源となるため、地上波放送に頼らず、「DAZN」 の方式が定着すれば、選手のファイトマネーアップにもつながる。

   村田が引退すれば、「DAZN」の今後のボクシング中継にも影響が出かねない。ケーブルテレビが発達し、ペイ・パー・ビューシステムが定着している米国とは異なり、「DAZN」のようなシステムが日本で定着するには時間がかかるだろう。村田がリングに上がることで、その認知度は大幅にアップし、定着までの時間も短縮できる。

   ボクシングの相性でみれば、ブラントと日本で再戦しても内容が劇的に変わることはないだろう。

   村田が所属する帝拳ジムの本田明彦会長は「村田の場合は背負うものが大きすぎる。(決断は)簡単じゃない。ゆっくり話し合う。ただやればいいってもんじゃないし、ゆっくり考えるべき。本人がやるって言えば、ダメとは言えない」と去就に関しては本人の意志を尊重する構えを見せた。

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