2019年 1月 16日 (水)

日本が「廃墟マンション」だらけになる日 「空き家問題」は都市部に波及する

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   倒壊の危険などがあるとして全国で問題化している空き家だが、今後は都市部のマンションの空き家が深刻になるとの見方が広がっている。

   高度経済成長期に大量に建てられた建物が寿命に近づいているが、なかなか建て替えが進まないためだ。

  • 画像はイメージです
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子どもたちは親のマンション引き継がず

   適正に管理されていない放置空き家は各地で生じており、ネズミや蚊などの虫が大量に発生したり、景観を壊したり、崩れかかって周辺に危険を及ぼしかねない状況になるなどして、周辺住民に大きな被害を及ぼしている。政府は2015年に「空き家対策特別措置法」を施行し、倒壊の恐れなどがある空き家を「特定空き家」と指定して、自治体が助言や指導を行うほか、建物を壊して、その費用を所有者に請求できるようにした。

   そんな空き家問題は今後、「都市部のマンションが焦点になっていく」(東京都内の不動産関係者)と見られている。マンションは元々、人口の増加や労働者の都市流入に伴い、1970年代ごろから都市部を中心に大量に建設された。その多くが老朽化しているのだが、建て替えがスムーズに進んでいない。実際、全国で約640万戸あるマンションのうち、建て替えられたのはわずか200戸強に過ぎないという。

   建て替えられない理由はいろいろある。一つは建物の老朽化と共に、住民の高齢化も進んでいることだ。高度成長期に30~40代で購入した世代は今や70~80代。多くの人は年金生活者で、建て替えの費用など負担できないとされている。

   子どもがそのマンションの部屋を受け継ぐなら建て替えの意欲もわくだろうが、若い世代は親のマンションに住みたがらないケースが多い。高度成長期に建てられたマンションは駅から遠いなど、利便性に劣る物件が少なくないからだ。若い世代は夫婦共働きが多く、生活のためには部屋が狭くても、駅から近いなど利便性の良さが不可欠になっている。

いずれは「倒壊」危機も起こり得る

   一方、大きければ数十、数百世帯・数千人もが暮らすマンションではそもそも、意見をまとめることが簡単ではない。建物を解体したり、建て直したりするには住民の合意が必要だが、普段から管理組合の活動にさえ無関心な人も多い中、意思疎通を図るのは至難の業だ。

   こうして、寿命が来ているのに建て替えもされず、所有者は高齢者施設に行ったり、亡くなったりして後に住む人もなく、空室がどんどん増えて、老朽化していくばかりのマンションが廃虚と化していく可能性は大きい。いずれ倒壊の恐れが出てくれば地域に影響を与える。空き家対策特措法はあるが、この法律は基本的に一戸建てを想定している。「一軒家なら解体するのに数十万~数百万円で済むだろうが、大きなマンションなら億円単位の多大な費用がかかる。自治体で対応できるレベルを超えている」と多くの不動産関係者は懸念している。

   一朝一夕で解決できる問題ではない。とはいえ、だからこそ、国などには早急な対応が求められている。

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