2019年 12月 14日 (土)

北海道「復興」がアベノミクス左右? 訪日客マイナス脱却の目途は

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   観光庁が発表した2018年9月の訪日外国人旅行者は前年同月比5.3%減の215万9600人となり、2013年1月以来、5年8カ月ぶりにマイナスとなった。9月は台風21号で関西国際空港が大幅減便となったほか、北海道地震の影響で訪日客のキャンセルが相次いだ。

   訪日客を誘致し、国内消費を増やす「観光立国」の戦略は、アベノミクスの中でも唯一といってよいほど順調に推移していたが、災害で急ブレーキがかかった格好だ。マイナスが一時的なものなのか、しばらく続くのか。今後の行方が注目される。

  • 外国人にも北海道は人気の観光地だ(画像はイメージです)
    外国人にも北海道は人気の観光地だ(画像はイメージです)

大阪、北海道はともに人気観光地

   前回、訪日客が前年同月比でマイナスとなった2013年1月は、東日本大震災や原発事故の影響が残っていた時期で、今回はそれ以来となる。今回も外国人が日本の災害や事故に敏感に反応する現実が浮き彫りになった。

   9月の訪日客がマイナスになったのは、関空が台風21号の高潮で3日間閉鎖されたほか、その後も減便が相次ぎ、関空経由の訪日客が前年同月比で約4割も減少したことが最大の要因。北海道でも地震直後に新千歳空港が2日間閉鎖したほか、停電もあって新千歳経由の訪日客が同じく25%減少したことが響いた。都道府県別の訪日客数で大阪府が東京都についで2位、北海道が3位と、いずれも人気の観光地であるため、関空と新千歳が一時閉鎖した影響は予想以上に大きかった。

   各国・地域別では、中国、韓国など近隣のアジア諸国・地域の減少が目立った。香港23.8%減、韓国13.9%減、台湾5.4%減、中国3.8%減となり、いずれも訪日客が多いボリュームゾーンの諸国・地域だけにダメージが大きかった。他のアジアと欧米豪の主要国では、0.8%減の英国を除く15カ国が9月として過去最高を記録。イタリアは20.6%増えるなど明暗を分けた。欧米諸国に比べ、中国・韓国など近隣のアジア諸国・地域は「地震に対して敏感で、北海道の停電などにも不安を感じている」(観光庁幹部)という。

長ければ「年度内」は影響が続くか

   台風による関空の閉鎖は一時的なもので、9月21日には旅客の運航は通常に戻ったが、問題は北海道の地震の影響が10月以降も続くかどうかだ。

   訪日客は安倍政権が中国を中心にビザ発給の条件を緩和したことから2013年に年間1000万人を突破。その後も毎年400万人以上のペースで増え続け、2016年に2000万人を突破し、2018年は3000万人の大台が目標だが、9月時点で2346万人にとどまる。政府は東京五輪・パラリンピックがある2020年に4000万人とする目標を掲げるが、いずれの目標達成もこの10月以降の訪日客の回復の行方にかかっている。

   政府は10月から北海道内の旅行料金を1泊最大2万円補助する「北海道ふっこう割」を始めており、2018年度予算から予備費81億円を充てることを決めた。西日本豪雨や北海道地震など災害からの復旧・復興には9400億円の補正予算案を閣議決定したものの、全道で長期停電を引き起こした北海道電力の停電対策などはこれからだ。中国、韓国など訪日客の不安を解消できるかは見通せない。

   観光庁の田端浩長官は9月16日の記者会見で「関西は需要が回復基調にあるが、北海道は地震の影響が残る可能性がある。今後の見通しは難しいが、2020年4000万人の目標に向け、需要回復の対策をしっかりとりたい」と述べるにとどまった。訪日観光に詳しいエコノミストの間では「過去の災害の経験に照らすと、北海道は年内か年度内いっぱいくらいは訪日客に影響が続くのではないか」との指摘があり、観光業界は気を揉んでいる。

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