2019年 1月 19日 (土)

ガソリン160円、4年ぶりの高値 要因はどこにあるのか

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   ガソリン価格が約4年ぶりの高値になっている。全国平均で2014年11月以来の1リットル=160円を一時記録したのだ。

   米国の対イラン制裁強化やサウジアラビアのジャーナリスト殺害など外部に不安定要因を抱え、原油価格が上昇してきたのに加え、国内でも石油元売りの業界再編で競争が鈍っている事情もあり、なおしばらくは高値圏で推移するのと見方が強い。

  • ガソリン価格、これからどうなるのか
    ガソリン価格、これからどうなるのか

値上がり続き、依然として高値圏に

   資源エネルギー庁が18年10月24日発表した22日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は、前週比0.4円高い1リットル=160円ちょうどとなり、8週連続の値上がりを記録した。29日時点は前週比0.4円安い1リットル159.6円と、やや下がった。原油相場は株安の影響などで10月中旬以降、やや下落しており、元売り各社は調達コストの減少を反映してガソリンの卸値を引き下げたためだ。とはいえ、19道府県では引き続き160円以上で、全体として依然、高値圏にある。

   また、軽油は前週比0.3円安い1リットル138.1円、灯油も同0.1円安い1リットル99.7円だった。

   ガソリンなどの価格は、時間差はあっても、基本的に原油価格に連動し、原油価格は需要と供給のバランスに左右される。ニューヨークの原油市場は、代表的指標とされる米国産標準油種WTIの先物価格が2014年夏に1バレル=100ドル前後だったが、その後、石油輸出国機構(OPEC)が減産を見送ったのを契機に下落に転じた。米国でのシェールオイルの生産増加もあって下げ足を速め、2016年1月には30ドルを割れた。この辺りを大底に、世界の景気の好調な波に乗って相場は反転。2018年になって、60ドル近辺からじり高の展開になり、10月に入って約4年ぶりに76ドル台に乗せたものの、10月末時点では60ドル台前半となっている。

イランへの経済制裁が影響

   これからの原油相場の行方を見るポイントは、中東のイランとサウジだ。

   イランについては、核開発を制限する合意をイランと6カ国(米英仏ロ中独)が2015年に結んだが、米トランプ政権が一方的に破棄し、新たな経済制裁を発動した。11月からイラン産原油の輸入停止を世界に迫り、日本を含む多くの国がイランからの原油輸入を取りやめざるを得なくなった。イランの原油輸出は2017年の日量250万バレルから2018年8月以降、200万バレルを割り、2019年には2017年から半減するとの見方がある。要は、イランの輸出が減る分、世界全体の原油の供給量が100万バレル単位で減るということで、価格上昇圧力になる。

   トランプ政権は原油価格上昇が米国内物価を押し上げ、経済にマイナスになる事態を回避するため、OPECなどにイランの減少分を埋めるよう、増産を求めたが、OPEC加盟国と非加盟国の9月下旬の会合では、増産などの決定を見送った。

ジャーナリスト殺害の影響は

   ここで特に注目されたのがサウジだ。OPECの増産と言っても、増産余力があるのは、ほぼサウジに限られ、そのサウジはトランプ政権と親密、特に対イラン包囲網という点で利害が一致する。サウジも、産油国としては原油が高く売れた方がいいが、それが世界経済を混乱させ、中長期で結局、石油需要が落ち込んで自国経済にもマイナスになるから、どこかで、一定の増産に応じるなど、トランプ政権と手を打つだろうというのが、一般的な見立てだった。

   そこに降ってわいたのがジャーナリスト殺害だ。10月2日、サウジの現政権を批判してきたカショギ氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館に入ったまま行方不明になり、後にサウジ政府も、館内で計画的に殺されたことを認めざるを得ないところまで事態は進んでいる。サウジの実権を握るムハマンド皇太子の事件への関与は、サウジとしては絶対に認めないだろうが、トルコの捜査によって、真相がどこまで明らかになるか。

   事件が原油にどう影響するかはなお不透明だ。当初、サウジに甘い態度を示していたトランプ政権は、事件の中身が明らかになるにつれ、世論に押されて厳しい姿勢に転じている。サウジと欧米の関係が悪化し、原油供給に影響が出ないとも限らない。

業界再編も高騰の一因

   原油価格は米中貿易戦争などにより世界経済が減速に向かい需要も落ちるとの思惑などから、足元はやや下落してWTI先物は70ドルを割っているが、「中東情勢が一段と不安定化すれば、WTIは再び1バレル70ドルに乗せ、さらに上昇する可能性もある」(市場関係者)との声もある。

   他方、日本国内では、原油相場の上昇に加え、業界再編が進んでいることもガソリン高の一因だ。2017年4月にJX日鉱日石エネルギーと東燃ゼネラルが統合してJXTGエネルギーが発足して国内のガソリン販売シェアで約半分を握り、2019年4月には出光興産と昭和シェル石油が経営統合し、元売り業界はコスモエネルギーを含め3社の寡占体制が確立する。統合に伴って過当競争解消が進み、価格が下がりにくくなっている。

   原油の値上がりはガソリンだけでなく、灯油、航空機のジェット燃料などにも波及。航空運賃に転嫁されるなど消費者の財布を直撃するほか、化学製品の原材料価格上昇、物流のコストアップなど、経済に幅広い影響を及ぼすだけに、少し前まで絶好調を謳歌してきた世界の景気に億影響を与えるのは間違いない。

   石油価格が世界経済のかく乱要因になってきた。

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