2024年 4月 18日 (木)

失言以前の問題だった? しどろもどろ大臣・桜田五輪相「能力不足」指摘の悲しさ

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   第4次安倍改造内閣で12人もいる「初入閣組」をめぐって指摘されていた「身体検査」不足が、早くも露見したようだ。片山さつき地方創生担当相の金銭問題に続いて「炎上」したのが桜田義孝・五輪担当相だ。

   入閣の時点で、過去の慰安婦をめぐる発言を「マーク」する向きもあったが、入閣後は国会や記者会見でのかみ合わないやり取りが問題化。「承知していない」を連発する有様で、答弁をめぐる能力不足が内閣の足を引っ張ることになりそうだ。

  • 桜田義孝・五輪担当相は記者会見でもしどろもどろになる場面が目立った(写真は「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局」の動画から)
    桜田義孝・五輪担当相は記者会見でもしどろもどろになる場面が目立った(写真は「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局」の動画から)
  • 桜田義孝・五輪担当相は記者会見でもしどろもどろになる場面が目立った(写真は「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局」の動画から)

基本コンセプト即答できず、「1500億円」が「1500円」に

   桜田氏の過去の失言は慰安婦に関するものだ。16年1月の党会合で

「職業としての娼婦だ。ビジネスであって、これを犠牲者とするような宣伝工作に惑わされすぎている」

などと発言し、直前の15年12月に結ばれた慰安婦をめぐる日韓合意の内容と整合性が取れないとして与党内でも批判が噴出し、

「私の発言について誤解を招くところがあり、発言を撤回させていただく」

などとする談話の発表に追い込まれていた。

   そのことから、入閣時点で「失言リスク」が指摘されていたが、先に顕在化したのは答弁能力不足だった。

   18年11月5日の参院予算委員会では、蓮舫参院議員から聞かれた東京大会の基本コンセプトなどを即答できず、事務方の助けを借りながらやっと答弁。大会予算の国の負担分「1500億円」が「1500円」になるなどの言い間違いも目立ち、汗をぬぐいながら答弁した。

「報道も承知していません」→「報道については、人を通じて知っていますよ」

   翌11月6日の会見でのやり取りも、しどろもどろな答弁は続いた。蓮舫氏とのやり取りについては

「全然通告がなくて、何にもよく分からない。接触禁止ということの中で、ちょっと残念な議会だな」

と釈明する一方で、11月下旬に開かれる各国オリンピック委員会連合(ANOC)の総会に、北朝鮮の金日国(キム・イルグク)体育相が出席する意向を日本政府側に伝えている、とする報道の事実確認を求められると、「私は全然承知していません。全然知らないです」。

   すでに報道が出ている、という指摘には「その報道も承知していません」と断言し、直後に事務方から促されて

「あっ、あのー、ニュースが、皆さんから聞いたことは知ってますけど...。報道については、人を通じて知っていますよ」

などと軌道修正する一幕も。独自制裁で北朝鮮国籍を持つ人の日本入国が禁じられる中で、北朝鮮の東京五輪参加のあり方について問われても、

「そこは私、承知してないので...なんとも言えないですね」

と「承知していない」と繰り返した。

   北朝鮮と東京五輪の関係をめぐっては、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が18年3月に平壌を訪れて金正恩朝鮮労働党委員長と会談した際、バッハ氏は北朝鮮側に選手団を東京五輪に派遣するように要請し、北朝鮮側も応じる考えを示している。この点に対する認識を聞かれても、自らが当事者でないかのような答弁に終始した。

「私は直接聞いておりません。それであのー。政府として官邸とか外務省とか、そういう政府の官房とかそちらで、決めることだと思いますので、私の方では特にとやかく言う内容ではないのではないか。分野外だと思ってます」

「いや、総合調整は総合調整ですけど...」

   こういった状況に、記者からは

「大臣は東京五輪に向けた政府内の総合調整を担当されているということですけれども...この件に関しては総合調整の範囲外ということなんですか?」

という声も出たが、桜田氏は同様の答弁を繰り返した。

「いや、総合調整は総合調整ですけど、そういうことについては範囲外だと思っています。そういうことは外務省だとか官邸だとか、いろいろな面で検討されるべき課題だと思ってますし、その範囲内で我々は総合調整すると認識しています」

   さらに質問の事前通告をめぐっては、蓮舫氏は「通告をしています」と反論している。桜田氏は11月9日に予定されている会見で、改めて見解を示す見通しだ。

   桜田氏は当選7回で、二階派から入閣。これで、桜田氏よりも先輩で入閣経験がないのは当選8回の山本拓衆院議員のみとなり、桜田氏の入閣は「待機組」処遇の一環だったとの見方が根強い。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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