2024年 4月 26日 (金)

芸能界に雨男・雨女「多い」の何故? 古代から続く人間の「心理」に背景が

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   女優の新木優子さん(24)が2018年11月5日、東京・六本木ヒルズで開かれた「けやき坂イルミネーション点灯式」に出席。総額1億円相当の豪華衣装で登場し、イルミネーションのスイッチを入れた。

   会場は屋外で、イベント開始直前まで強めの雨が降っていたが、新木さん登場直前にはパタリとやんだ。このため、新木さんは「直前まで雨が降っていたので大丈夫かなと心配していましたが、雨の効果もあってかイルミネーションがキラキラしていますね」とほほ笑んだ。

  • イベントに出席した新木優子さん(2018年11月撮影)
    イベントに出席した新木優子さん(2018年11月撮影)
  • イベントに出席した新木優子さん(2018年11月撮影)

「雨女」あゆ、「雨男」大泉洋...

   「晴れ女」とでも言えそうな新木さんの登場だったが、芸能界には「晴れ女・雨女」「晴れ男・雨男」伝説で有名な人物が何人もいる。

   中でも、歌手の浜崎あゆみさん(40)の強烈な雨女ぶりは以前からファンの間で有名で、夏フェスの「a-nation」では、16年の公演を含めこれまでに複数回、最終日に大トリを務める浜崎さんが登場する直前から土砂降りの雨が降った。17年には2度の台風接近のため、屋内会場ながら兵庫県と徳島県での公演が中止になった。また、本人も雨女であることは「自覚」があるようで、17年2月には「雨女は今年も健在なり」とツイートしたことがあるほどだ。

   また、浜崎さんのほかにも俳優の大泉洋さん(45)も「雨男」で知られ、出演映画の舞台挨拶をすると会場付近で雨が降るという「伝説」の持ち主。中でも、映画「探偵はBARにいる2 ~ススキノ大交差点~」(13年公開)では、完成披露試写会と初日舞台挨拶がともに雨という鉄板ぶりだった。

   ただ、このような「非科学的」な話に果敢に物申す芸能人がいることも事実。18年8月に放送されたバラエティー番組「女が女に怒る夜」(日本テレビ系)に出演した、お笑いコンビ「オアシズ」の大久保佳代子さん(47)は、友人同士でレジャーなどに出掛けた際に雨が降った場合などに、「ごめん、私、雨女だから」とかわい子ぶる女性たちに対し、「『お前に天気を左右する力なんてあるわけねえだろう』って思う」と発言。スタジオを笑わせた。

不確定性嫌う人間の心理

   不合理な物言いだとは分かっていても、ついつい指摘したくなる「晴れ女・雨女」「晴れ男・雨男」。この心理について、経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏は以下のように指摘する。

「人間の特徴の1つとして『偶然性や突発性を嫌う』という傾向があるからです。この傾向は当然ながら、良い出来事よりも悪い出来事に対して強く働きます。人間は古来から災害などの人間の力ではどうにもできない出来事を『神罰』『仏罰』などの形で神仏の怒り、あるいは、魑魅魍魎の仕業にしたりしてきましたが、これらは『災害の発生は実は必然だった』という意味付けを行い、少しでも精神の安定を図るためなのです。雨が降るというのは程度が過ぎれば災害になりますから、滞りなく行われるべき芸能人のイベントと雨が結び付けられるのは人間の心理からは自然なことです。その結果、『雨女・雨男』と名指しされる芸能人が出てくるのでしょう」

   また、このような意味づけをすることは、実は、人間の心理の根底に根差したものだともいう。

「『雨女・雨男』などと位置付け、雨でイベントが中止になるという『悪い結果』を覚悟しておくことで、本当に雨でイベントが中止になった際に受ける心理的ダメージを軽減することができます。これは、我々人間がより良く生きるために無意識のうちに行っている知恵とでも言えるものです。これが肥大化すると、雨乞いなどの呪術やシャーマニズムに発展するのです」

   一見すると不合理な物言いの「雨女・雨男」だが、その正体は魂の平安を保つべく行う「儀式」なのかもしれない。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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