2019年 11月 19日 (火)

日韓にくすぶる「もう一つの火種」 WTO提訴の「造船」問題、いったい何が?

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   元徴用工判決をめぐり、摩擦が続く日韓関係。これに比べるとメディアでの扱いは小さいが、日韓にはほかにも複数の火種がくすぶっている。

   その一つが、WTOへの提訴にまで発展した、「造船」をめぐる通商問題だ。

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    大宇造船海洋の公式サイト

かつては5割占めたシェアも...

   日本政府が、韓国が自国の造船業を補助金で支援しているのは市場をゆがめているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴したとのニュースが、2018年11月14日飛び込んできた(ロイター)。日本政府が韓国をWTOに提訴するのは、2015年に東京電力の原発事故で水産物の輸入を制限しているのは不当だと訴えるなどして以来、今回で4件目となる。

   今回、日本政府が開始したのはWTO協定に基づき、2国間の紛争を解決するだ。まず韓国との2国間協議に入り、ここで協議が不調に終われば、WTOで紛争を解決する「裁判所」に当たる小委員会(パネル)に提訴することになる。

   造船業は1980年代まで日本が建造量で世界の5割近いシェアを誇るお家芸だったが、2000年代から中国と韓国が台頭。2017年のシェアは中国36%、韓国35%、日本19%と、競争が激しくなっているのが今回の問題の背景にある。

   国土交通省によると、韓国は2015年10月、建造量で世界3位の大宇造船海洋が経営不振に陥ったことから、政府系金融機関が約1兆2000億円の融資など公的支援を行った。世界の造船業界はリーマンシヨック前の大量発注に合わせて造船設備を増強したが、2011年をピークに受注が落ち込み、供給過剰となっている。

   韓国は現在も政府系金融機関が造船業の受注拡大に向けた支援を行っており、国交省は韓国に「補助金に当たる公的支援は市場をゆがめ、供給過剰問題の早期解決を阻害する恐れがある」と、これまで再三にわたり指摘してきた。

真っ向からすれ違う両国の主張

   これに対して韓国は「支援は政府系金融機関の商業的な判断で、政府の介入はない。市場の造船価格の押し下げにはつながっていない」などと主張。両国政府間の協議は平行線のままだった。このため日本政府は「韓国による自国造船業に対する公的支援はWTO補助金協定に違反する疑いが強い」と判断。迅速な解決を図るため、WTO協定に基づく紛争解決の手続きを開始した。ここで韓国がこれまでの主張を繰り返した場合、日本政府はWTOにパネルの設置を求めることになる。

   世界の造船業の建造量(2017年)は上位20社のうち、韓国が7社、中国が7社、日本が5社、フィリピンが1社となっている。上位3社は現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋と韓国が占め、日本トップは4位の今治造船で、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)が7位、大島造船所が12位、名村造船所が16位、新来島どっくが20位で続く。中国は国営企業が多く、中韓との競争は激しいが、直近2018年1~6月の世界シェアは中国39%、韓国25%に対して日本は24%と善戦している。

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