2018年 12月 19日 (水)

オリックス金子「年俸5億円減」報道 来年の税金支払い、どうなるの?

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   オリックス・金子千尋投手の来季年俸5億円減?――2018年11月20日付けのデイリースポーツによると、今季の金子の年俸は6億円で、来季契約に関して球団が5億円減の1億円を提示。これは野球協約が定める減額制限を大幅に超えるもので、プロ野球史上最大額となる。

   プロ野球のシーズンオフによく目にする年俸の減額制限だが、その制限額はいかほどなのだろうか。2017年度版日本プロフェッショナル野球協約第92条では、減額制限に関して次のように記載されている。

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「金額が1億円を超えている場合、40パーセントまでとする」

第92条 (参稼報酬の減額制限)
次年度選手契約が締結される場合、選手のその年度の参稼報酬の金額から以下のパーセンテージを超えて減額されることはない。ただし、選手の同意があればこの限りではない。その年度の参稼報酬の金額とは統一契約書に明記された金額であって、出場選手追加参稼報酬又は試合分配金を含まない。
(1)選手のその年度の参稼報酬の金額が1億円を超えている場合、40パーセントまでとする。
(2)選手のその年度の参稼報酬の金額が1億円以下の場合、25パーセントまでとする。

   今季の年俸が1億円を超える金子の場合、減額制限は(1)に該当する。金子の今季年俸を報道にある6億円と仮定した場合、40パーセントの上限で2億4000万円減となり、来季は3億6000万円の年俸となる。

   ただ、上記に記載されている通り、選手の同意があればこの限りではなく、今回のケースのように5億円の減額も十分ありえる。選手がこれに納得しなかった場合は、選手が自由契約になる選択肢が与えられ、他球団と自由に交渉が出来る。

   金子は11月5日に代理人を伴って球団と交渉に臨み、球団から来季の年俸1億円を提示されたとみられる。この交渉では合意に至らず、今週中に再度、代理人を交えて球団と交渉のテーブルに付く。

単純計算なら3億円超?

   ここで気になるのが、来年、金子が支払うべき税金の額だ。どれほどの額を税金として納めなくてはならないのだろうか。

   プロ野球選手は球団と契約し、その契約に基づいて報酬を得る個人事業主である。会社から給料が支払われるサラリーマンと異なり、毎年、確定申告を行う必要がある。

   確定申告の際、納付する所得税は、年俸6億円の選手ならば45パーセントが課され、さらに10パーセントの住民税を後日、納付しなければならない。8パーセントの消費税に関しては、球団ごとに形式が異なる。年俸が支払われる際に加算している球団もあるため、オリックスがどのようなシステムを導入しているかは不明である。

   大まかに単純計算してみると、年俸6億円の選手が所得税45パーセント、住民税10パーセントを引かれると、手元に残るのは単純計算で2億7000万円。これに8パーセントの消費税がかかれば、約2200万円ほど引かれる。

   日本人で初めて2億円プレーヤーとなった落合博満氏は引退後、テレビ番組で当時を振り返り「税金で60パーセントもっていかれた」と発言しているように、億を超える年俸の選手が納付する税金もまた巨額のものとなる。

中村紀洋氏、年俸2億プラス出来高5000万円から400万円に

   プロ野球選手の税金の支払いにまつわる「事件」といえば、近鉄、オリックス、ドジャースなどで活躍した中村紀洋氏のエピソードが有名である。

   当時、オリックスに所属していた中村氏は、2006年の年俸に関して、球団と2億円プラス出来高払い5000万円(金額は推定)の単年契約を結んだ。このシーズンは度重なる故障により、年俸に見合うだけの活躍が出来ず、オフの交渉で球団から提示された07年の年俸は、60%減の8000万円(金額は推定)だった。

   交渉は年を越し、回数は実に6度を数えたが、2007年1月12日までに合意に達せず、球団は中村氏との契約更新を断念。これにより中村氏はオリックスを退団することになり、他球団とのトレードの話がなかったことから5日後に自由契約選手となった。

   自由契約選手となった中村氏の獲得へ動く球団は現れなかったが、同年2月に中日からテスト生としてのキャンプ参加を呼びかけられ、そこで入団テストを受けた。

   テストの内容が評価され、育成選手枠で中日に入団。この時の背番号は「205」で、年俸は400万円(金額は推定)だった。オープン戦での活躍で開幕直前に支配下選手契約を結んだが、年俸はわずかにアップしただけの600万円(金額は推定)だった。

   中日に入団が決まった時に発覚したのが、中村氏の税金事件である。スポーツ紙のインタビューに中村氏は、2006年の2億円を超える所得に対する所得税を支払うことに関して、貯蓄がないため支払いに大きな不安があると吐露。2億円以上もの額を稼ぐプロ野球選手の衝撃告白は当時、大きな話題を呼んだ。

   中村氏以外にもプロ野球選手の税金にまつわる問題は多い。これらの対策の一環として、日本野球機構は近年、新人選手に向けての研修会を開催している。今年1月には2018年の新人選手、審判員ら105人を集めて「2018年NPB新人選手研修会」が都内で開催され、「アンチドーピング活動・脳振とうについて」、「暴力団の実態と手口」など6講義を行った。税金対策としては「税の意義と役割」と題した講義が行われ、新人選手に税金の仕組み、社会に対する役割などの理解を求めた。

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