2019年 5月 26日 (日)

「中国排除」、日本企業に報復も 「5G覇権」睨む中国世論

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   日本政府は2018年12月10日、サイバーセキュリティ対策推進会議を首相官邸で開き、情報通信機器の政府調達に際しての運用を申し合わせた。「サイバー攻撃など安全保障上のリスクを低減させるため」とされた。安倍晋三首相は記者会見で、「特定の企業や機器を排除する目的ではない」としたが、日本国内でも、中国最大の通信機器メーカーで、第5世代移動通信(5G)技術に強い「華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)の製品を政府調達から排除する狙いとみられる」(『朝日新聞』12月11日)とする報道が一般的だ。

  • 日本政府の決定を批判する「環球時報」の社説
    日本政府の決定を批判する「環球時報」の社説

「日本の利益、必ず損なう」

   ファーウェイとZTEの製品はいまのところ日本ではあまり使われていないにも関わらず決まった、今回の措置。それが中国に警戒感を強める米国の働きかけを受けてのものであることは明らかだ。日本政府のこの決定は、中国側に衝撃を与えた。

   大手メディア『環球時報』は即座に「ファーウェイとZTE排除によって日本は自らの利益を必ず損なう」という社説を10日に発表し、「中日関係を改善させる重要なタイミングで日本は米国の政治圧力に屈した。大きな悪影響がもたらされるかもしれず、日本の安全保障にもよくないことだろう」と強調した。今回の「排除」の後、中国市場で一定程度のシェアを持つ日本企業が、近い将来徹底的に中国内で排除される、報復措置の可能性もありうる情勢になってきた。

米国の、国家レベルでの圧力

   ファーウェイとZTEを「排除」する米国主導の動きは、情報漏洩など安全保障上の懸念に対応するためとされる。だが、中国世論はこれに疑義を唱える。ファーウェイとZTEへの「情報漏洩」などについての米国の調査はこれまで数年続いているにもかかわらず、漏洩の事実は見つかっていないではないか、そうした問題があったなら、米国やその同盟国の世論は黙っていないはずだろう、現にドイツなどは「ファーウェイなどを排除する必要はない」としているではないか......。

   こうした世論が一般的だといえる。さらに、次世代の主戦場、5Gを巡る覇権争いを見据えた意見も増える一方だ。

   現行の4G方式でも、日本国内ではソフトバンク1社が基地局にファーウェイとZTE製機器を採用しているが、中国側の発表によれば、世界全体では中国製品は40%のシェアを獲得している。

   5G分野でも、華為やZTEなど中国製通信機器の性能は、米欧製品と肩を並べ、価格は明らかに安い。中国と欧米とが5Gの符号化方式をめぐる角逐を続けているこのタイミングで、ファーウェイ、ZTEをたたかねば、米国のクアルコムは太刀打ちできなくなってしまう......。

   中国世論は、米国がファーウェイとZTEを排除する目的は、国家レベルで中国企業に圧力をかけ、米国企業が5G分野での競争力をつける手助けをしているとにらむ。そして、日本の動きはその米国に追随していると映っているのだ。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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