「ごみの名前を教えてくれたら、出し方を案内するニャ」東京都墨田区が提供する「ごみ分別案内チャットボット」。NTTドコモが開発したAIが搭載されており、捨てたい「ごみ」の名前を入力すると、キャラクターが分類を教えてくれるというものだ。しかし対応できるのは「ごみ」だけではないようで――?「引き出しの多さよ」「人生相談をお願いしたいかも」このサービスは18年7月30日から提供開始、墨田区公式サイトから24時間いつでも利用できる。チャットボットではネコの「すみにゃーる」が利用者を案内、「ごみ」の名前を入力すると、分類を教えてくれる。キャラクターは住民からの投票で決められたそうだ。18年12月10日にあるツイッターユーザーが、「上司」と入力した画像を投稿したところ、13日17時半の時点で4万8000件超のリツイートを獲得している。やり取りは、こんな感じだ。ユーザー「上司」すみにゃーる「嫌な上司に何かを期待するのはやめたらどうかな。そう、期待を捨てる」これを見て、早速試してみたというユーザーからは、「教養もある」「引き出しの多さよ」「答えも一つじゃないものもあるみたいです。人生相談をお願いしたいかも」といったリプライ(返信)が寄せられている。J-CASTニュースは18年12月13日、すみだ清掃事務所啓発指導係を取材した。取材に応じた係長は本サービスの導入について、「墨田区の転入者は予想計画を上回るペースで推移しています。地域によって分別の仕方異なるということから、正しい分け方を理解していただきたくためです」と話している。効果はてきめん「電話での問い合わせや、間違ったごみの排出が減りました」筆者も試しに「座椅子」「夢」「希望」などいろいろ入力してみた。「座椅子」の分類はもちろんのこと、「夢」「希望」にはガンジーやマルティン・ルターの言葉を引用した回答が返され、少し心に刺さるものが......。同係長によれば、回答はすみだ清掃事務所の担当者が作成、ごみ分類に関する返答は約3万語で、そのほかのものは200パターンほどあるという。ごみ関係でないものは同じ質問でも回答が複数あるものもあり、アトランダムに回答が選ばれているとのことだ。しかしなかには「その質問は良くわからないニャ」と返ってくるものもある。係長によれば、NTTドコモからは毎月回答できなかったもののリストが送られ、そのうち回答を作成すべきものを選別、翌月ごろに反映し回答率を上げているという。イベントで周知活動を行った際には「すごく便利」「これからも使います」といった声が聞かれるといい、「(本サービスにより)電話での問い合わせや、間違ったごみの排出が減りました。また24時間365日対応可能なので、勤務時間外や休日(日曜日)も対応できるようになりました」と、係長は話している。なお、本サービスは東京23区では初の試み。他自治体では横浜市が17年3月から同様のサービスの実証実験を開始、18年4月から本格運用している。案内キャラクターや回答は墨田区のものとは少し異なる。
記事に戻る