2019年 10月 21日 (月)

政府が図る「プラットフォーマー規制」 データ「独占」の壁は崩れるのか

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   グーグルとアップル、フェイスブック、アマゾン――インターネット検索やネット通販など、主にネット上のサービスを企業や個人が利用する際の基盤(プラットフォーム)を提供する大手IT企業。代表格4社は、頭文字を取って「GAFA(ガーファ)」と呼ばれ、新語・流行語大賞の候補にもなった。

   政府がそんな「プラットフォーマー」と呼ばれるIT(情報技術)大手への規制に乗り出す。有識者会議が2018年12月12日に中間論点整理を公表、年内に最終規制案をまとめる。

  • プラットフォームに私たちの生活は依存している(画像はイメージ)
    プラットフォームに私たちの生活は依存している(画像はイメージ)

便利になればなるほど独占・寡占進む?

   具体的には、実態調査を進めるとともに、専門家による監視、情報開示の義務化、寡占を強めるM&A(企業の買収・合併)の規制などを検討している。

   上述のようなプラットフォーマーは、これまで日本では規制の対象とはみられていなかったが、検索サービスやネット通販が普及するにつれ、個人の検索履歴や買い物履歴などのデータが集中し、市場の寡占も進んだ。中間報告も、データが蓄積されるほどサービスの利便性が高まり、コストダウンも進んで、一部の巨大企業による市場の独占・寡占が起きやすいとして、規制の必要を主張している。

   寡占化で何が問題か。大くくりにして2点がある。顧客情報の囲い込みで他社の新規参入が阻害されないか、市場で支配的存在になっているため取引先に値下げを強制したりしていないか、だ。加えて、収集した個人情報の取り扱いも問題となる。新規参入とデータとの関係はかつてなく高度化している。ITのデータ利用は広告配信に始まり、シェアビジネス、さらに自動運転などにも広がり、データを持つ企業が顧客開拓はもちろん、技術革新でも優位に立つ。データを独占するものは、持たぬものを市場から締め出せるということになり、新興企業が参入する機会を奪われかねない。そうして価格支配力が強まれば、中小企業など弱い業者が排除されるなど、不利益を受け、巡り巡って消費者の不利益にもなる――というのが規制派の主張だ。

プラットフォーマーがプラットフォーマーを呑む

   新規参入では、プラットフォーマー自体の寡占化もある。フェイスブックがインスタグラムを買収したように、プラットフォーマーが将来のライバル企業を自分のものにすることでデータの集中が進むことが問題になっており、M&Aに関する独禁法の審査の重要性が高まる。

   取引関係では、IT大手を通じて商品を販売する中小企業が、高額の利用料を課されるなど独禁法に反する扱いを受けている恐れが指摘される。実際、プラットフォーマーが取引事業者と結んでいる契約が不公正だとの声は多く、経済産業省の調査では、取引事業者の86%が「規約などの一方的な変更で不利益を被った」と回答している。規制の先行例になるかもしれないのが、公取委が今春実施したアマゾンへの立ち入り調査だ。日用品や食品などを仕入れている納入元のメーカーに対し、アマゾン自体が値引きして売った販売額の一定割合を「協力金」として負担させていた疑いだったが、最終的に排除措置命令など強権発動前に、アマゾンが「自発的な措置を速やかに講じる」と確約し、審査が打ち切られた。

強制力ある「40条調査」も視野

   個人情報については、巨大IT企業は無料の検索や交流サイトなどのサービスを通じて膨大な量を集め、事業拡大に活用している。具体的には、ユーザーの属性や行動履歴などを基に個々のユーザーに便利な機能を提供することで、他のサービスに乗り換えづらく、他社の参入も難しい状況が生まれている。政府は、こうしたデータの集中が市場競争を阻害する状況を是正するため、ユーザーが自分の情報を他社に移せる「データポータビリティー」や、プラットフォーマーに他社へのデータ開放を促す制度や、ユーザーに損害が出た時の救済策の導入も検討している。

   政府が規制に踏む出すうえで、大きなポイントになるのが、公取委が年明けから取り組む実態調査だ。公取委はこの間、プラットフォーマーと取引先企業へのヒアリングを実施したが、秘密保持契約を理由に取引の実態を明かさない取引先日本企業が多かったため、十分な調査にならなかったという。

   その中で唯一、情報がかかったのが、前記のアマゾンの「協力金」だったというわけで、「取引先が大企業でも中小企業でも、プラットフォーマーとの関係は、大企業と下請け企業のようなもの」(公取委関係者)。このため、公取委は調査にあたり、独禁法40条に基づく強制力のある「40条調査」の活用を含めて、実態解明にあたる考えだ。

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