2019年 1月 16日 (水)

高橋洋一の霞が関ウォッチ
経済効果に優れる「大阪都構想」 ダブル選浮上で再評価

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   12月25日(2018年)のクリスマスの株価は大荒れだった。日米ともに大きく下げた。もっとも、米国ダウは26日(現地時間)に1086ドルと過去最大の上げ幅とリバウンドし、日経平均もやや戻した。そうした株価の乱高下を尻目に、大阪で政治バトルがある。

   大阪都構想をめぐり、大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長がそろって辞任して出直し選、ダブル選挙を行う可能性が浮上している。大阪維新の会と公明党で約束していた都構想の住民投票について、両者で折り合わないようだ。

  • 松井一郎大阪府知事(2017年4月、J-CASTニュース撮影)
    松井一郎大阪府知事(2017年4月、J-CASTニュース撮影)

経済効果は最大1兆円規模の差

   松井知事も吉村市長も都構想を選挙公約に掲げて当選したので、その実現は政治家の使命である。そうでなければ、当選した松井知事と吉村市長に投票した人を裏切ることになる。もちろん、松井知事と吉村市長に投票しなかった人は都構想に不満であるだろうが、選挙という民主主義プロセスをへて、決着すべき課題だ。

   都構想はかつて住民投票で否定されたが、よりよい制度を目指して、大都市制度として総合区と特別区設置が継続的に検討されてきた。大阪府・市は11月16日、広域行政の課題を話し合う「副首都推進本部会議」で都構想の経済効果を取り上げた。

   この経済試算の内容は、大阪市のホームページに掲載されている。筆者の属する大学の研究者が行ったものであるので筆者も一部としばしば勘違いされるが、一切関わっていない。

   もっとも、その内容をみると、基礎的自治体の最適規模論から大阪市が過大であり、民意への即応性がある特別区のほうが、最大で1兆円程度も経済効果で優れていることが、定量的・客観的に示されている。そこで用いた分析手法は標準であるので、一般的な研究者なら同様な結論を出すだろう。

   東京出身であり、「都制度」の下で生活している筆者は、同様な制度を大阪が採用するのは賛成である。世界に向けて、東京だけではなく、大阪も全面に出て行くためにも都構想が必要と考えている。一定以上の大都市では「都制度」のほうが経済効果でも優れているので、大阪が採用しないのはもったいない。

   しかし、都構想反対派はその会議に欠席し議論すら拒んでいる。それは政治家の職場放棄である。

万博誘致の原動力は「人間関係」にあった

   大阪万博誘致の成功は大阪維新の大手柄である。もし、橋下徹大阪府知事と平松邦夫大阪市長との「府市あわせ(不幸せ)」コンビだったら、誘致できなかったはずだ。橋下氏は立候補すらできなったといっている。

   松井知事と吉村市長の人間関係で府市が一体になっているから、立候補が出来て、両者の協力関係がうまくいったので、誘致が成功した。

   筆者は、IR(総合リゾート)も大阪に誘致できると思っている。IR法の成立では、大阪維新の貢献は極めて大きいからだ。これにも、松井知事と吉村市長の人間関係がよかったのが決定的によかった。

   今の松井知事と吉村市長の間では考えなくてもいいかもしれないが、筆者は政治家の人間関係ほど当てにならないものはないと思っている。政治家の人間関係は基本として友情と打算であるので、状況如何では崩れやすい。この人間関係を制度化するのが、都構想である。都構想になれば、大阪府と大阪市が対立することはできなくなる。

   当面は万博とIRが上手くできるか、将来は万博とIRの誘致成功を他の分野にも広げられるのか、都構想ができるかどうかにかかっている。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「図解 統計学超入門」(あさ出版)など。


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