2024年 5月 8日 (水)

27歳の地元出身青年、1人ハンストの理由 「辺野古」投票できない宜野湾

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街宣車の前で仁王立ち

   早朝から深夜まで、署名をしに来る市民があとをたたない。足を引きずりながら訪ねてくるお年寄りや、子供を連れて夫婦で署名に訪れる家族もいる。

   体力の消耗を考えればテントで横になっていて然るべきだが、元山さんは立ち上がって激励を受けて会話を交わす。

   クラクションを鳴らして激励する車も少なくない。もちろん基地容認派の若者も議論をしにやってくる。

   3日目になって右翼の街宣車がやってきた。市役所前の敷地の許可を取っているのかを問うている。

   テント内で休んでいた元山さんは、表に出てきて仁王立ちで立ち続けた。

「署名に来てくれる人たちが不安にならないように毅然と対応しなければならないと思った」

   4日目の18日。元山さんの体力は明らかに落ちている。定例の会見にも、椅子に座ったままだ。それでも気丈に歩いて移動する。医師の指示で、夕方、病院に向かった。

   それにしても、27歳の若者が身体をかけてまでハンストしなければならない沖縄の状況、いや日本って、何なんだろう。

(ノンフィクション作家 辰濃哲郎)

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