2024年 4月 25日 (木)

イチローはメジャー復帰できるのか 45歳で突き付けられた「壁」

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   メジャーリーグのマリナーズがイチロー外野手(45)とマイナー契約で合意したと、2019年1月23日(日本時間24日)、複数の米メディアが伝えた。報道によると、メジャー昇格後の年俸は75万ドル(約8200万円)という。イチローは2月のアリゾナ州で行われるキャンプに招待選手として参加する見込み。

   レジェンドの復帰の報は、全米の野球ファンから盛大な祝福を受けた。MLB公式インスタグラムがアップした「報道ではマイナー契約でイチローがマリナーズに復帰する」との速報には、ファンから次々とイチローの復帰を祝うコメントが寄せられた。米メディアはイチローの復帰を好意的にとらえるものが多くみられたが、一方でイチローの現役復帰に否定的な意見もある。

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イチローの復帰に米メディアで賛否

   地元メディア「ESPNシアトル」の1月21日付けコラムでジム・ムーア氏が「イチローは50歳までプレーしたいと言っている。マリナーズのジェリー・ディポトGMは、イチローが最初の2試合の後もマリナーズでプレーする可能性を排除していない。私には理解できない」と現役復帰に厳しい見解を示している。

   マリナーズは開幕シリーズで3月20日、21日に日本でアスレチックスと対戦する。通常、メジャーリーグのロースターは25人だが、日本の開幕シリーズではこの枠が3つ増え、28人がロースター入りする。この増枠にイチローが入ることが確実視されており、日本での開幕2連戦に出場する可能性が濃厚だ。

   日本での開幕戦では「特別枠」での出場が見込まれるが、米国に戻ってからはいばらの道が待ち受ける。メジャーリーグの元球団職員は、イチローのメジャー復帰について「非常に厳しい」と断言する。

   メジャーのキャンプは通常、2月中旬に始まる。まずは投手と捕手がキャンプインし、1週間程度遅れて野手がキャンプに入る。実践で仕上げるメジャーは、2月下旬にオープン戦が開始され、野手のチーム練習は1週間程度。約10カ月、実践から遠ざかってきたイチローは、短期間のチーム練習とオープン戦で実戦感覚を取り戻さなければならない。

球団は若手育成の方針 45歳のイチローは...

   日本での2試合に出場する可能性は高いが現状、イチローは外野手の4番手、5番手で、スタメンが確約されているわけではない。スタメンを勝ち取るためにはオープン戦でレギュラーが想定される3人の外野手を上回る結果が要求される。だが、オープン戦にはレギュラー候補が出場するとみられ、イチローの出場機会は限られたものになるだろう。

   わずかな実践練習で迎える開幕戦。しかもその開幕戦での出場も限定されるとみられ、状況は極めて厳しい。前出の関係者は「日本で打席に立つチャンスはそう多くはないでしょうから、その中で誰もが納得するバッティングをしなければならない。一発勝負になる可能性もある」と指摘した上で次のように続けた。

「メジャーのグランドに立つには、まずは40人のロースターに入って、次に25人のロースター入り。そしてそこからレギュラーを勝ち取らなければならない。乗り越えなければならない壁がいくつもある。まだ投手ならメジャー昇格のチャンスはあるが、誰かケガでもしない限り野手で昇格するのは厳しい。年齢的にも現実的ではないですね」

   昨オフ、主力選手の放出が相次いだマリナーズは、2019年シーズンを「再建の年」とし、若手の育成に力を注いでいく方針。現役にこだわり続ける45歳のイチローに突き付けられる現実は、過酷なものとなりそうだ。

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