2019年 10月 14日 (月)

オリンパスはなぜ、「物言う株主」を取締役に迎え入れたか

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   オリンパスが、大株主で「物言う株主」として知られる米バリューアクト・キャピタルから取締役を受け入れる。

   日本の大企業が物言う株主をすすんで迎え入れるのは異例だ。ガバナンス(企業統治)に課題を抱えていた同社の変革がどこまで進むのか、注目されそうだ。

  • オリンパス本社がある新宿モノリスビル(Rs1421さん撮影、Wikimedia Commonsより)
    オリンパス本社がある新宿モノリスビル(Rs1421さん撮影、Wikimedia Commonsより)

長期的視点で提案行うファンド

   取締役への就任が2019年1月11日発表されたのは、バリューアクトのパートナー、ロバート・へイル氏。6月の株主総会に提案する。オリンパスは同日、竹内康雄副社長が4月1日付で社長に昇格する人事や、大規模な組織再編を含む新たな経営計画を発表。新体制でオリンパスの変革を進めることになる。

   ヘイル氏は「1年にわたりオリンパス経営陣と非常に建設的な協議を重ねてきた。バリューアクトはオリンパスの掲げるビジョンに賛同している。協業を楽しみにしている」とのコメントを発表。竹内氏は「バリューアクトのこれまでの経験と建設的なアプローチには好印象を持っている。ヘイル氏のグローバルな知見、経験を取り入れることが、当社の変革、企業価値向上につながると判断した」と今回の招聘が嫌々ではないことを強調した。

   バリューアクトは2000年に設立された米投資ファンド。マイクロソフトやシティグループ、21世紀フォックスなど幅広い企業に投資実績がある。投資先と協調し、長期的視点で経営戦略を提案するスタイルが特徴で、短期的な利益を求めて株を買い占め、経営陣に圧力をかける投資ファンドとは一線を画す。2018年5月31日にオリンパス株の5%を保有したと、関東財務局に大量保有報告書を提出。バリューアクトにとって、初めての日本企業の投資先だ。

「再建」いよいよ実行のタイミング

   オリンパスのここ数年の最優先課題がガバナンス改革であることは間違いない。1990年代の財テク失敗で抱えた損失を隠し、それをM&Aに紛れ込ませて粉飾処理した事件が2011年に発覚。事実関係を調査した英国人社長を日本人会長が解任するなど経営は大混乱した。株価が短期間で急落しただけでなく、日本企業に対するガバナンス不信を招いた。

   事件を受け、2012年に急きょ登板したのが笹宏行社長だ。笹氏は内部管理体制、品質管理部門などを強化し、再建に取り組んだ。そして今回、「グローバル・メディカル・テクノロジー(メドテック)カンパニーへの飛躍」をスローガンにした新たな経営計画を策定。5人の執行責任者がグローバルで統括する体制の導入や、5事業部門から2事業部門への医療事業の再編成、指名委員会等設置会社への移行、新たな取締役の選任などを打ち出した。その計画を実行していくリーダーに選ばれたのが竹内氏であり、そのためにあえて「物言う株主」を迎え入れたわけだ。

   11日に計画が発表されるとオリンパスの株価は急伸。翌営業日の15日にはストップ高を記録するなど2日間の上げ幅は1000円を超え、4700円台を付けた。バリューアクトに対する投資家の期待の高さを示したといえる。

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