2019年 12月 12日 (木)

会田誠講座「セクハラ」訴訟に波紋 焦点は「大学側の対応」に?

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   京都造形芸術大学で開かれた公開講座に参加した女性が、講師の性的な発言に精神的苦痛を受けたとして、同大を運営する学校法人「瓜生山学園」を相手に提訴したと2019年2月27日、メディア各社が報じた。

   講師はエロ・グロや美少女などを題材に、刺激性のある作品を手掛ける美術家として知られる、会田誠さん。提訴をめぐり、ネット上では「事前に軽くネットで調べればどんな作風なのかも分かるのだから」と疑問視する声や、「大学の対応の問題が大きいと思った」と学校側を追及する声が上がっていた。

  • 学校側のホームページより
    学校側のホームページより

会田誠さん本人も連続ツイート

   弁護士ドットコムの報道などによると、女性は昨2018年4月から6月の間、同大の東京キャンパスで社会人向けの公開講座に参加し、3回目のゲスト講師の会田誠さんの講義でショックを受けた。涙を流した少女がレイプされた絵や、全裸の女性が排せつしている絵などをスクリーンに映し出す内容で、会田さんは下ネタ話を続行。女性は、本人のキャラクターや作風を知らなかったという。

   女性は同大のハラスメント窓口に申し立てをした。急性ストレス障害の診断も受けた。大学側は、対策が不十分と調査内容をまとめた。その後の話し合いで示談に際し、互いに関わり合いを持つことをやめるという要望があり、交渉は決裂。女性は同大通信教育部を卒業して、美術モデルの仕事をしていた。提訴は、2月22日付だという。

   会田さんは報道のあった27日、自身のツイッターを更新した。「寝耳に水でした。メディアからの取材はとりあえず断りました。自分のツイッターは編集されないので、ここに何か書きましょうか...」とコメント。その後、続けて

「落ち着いた文化教養講座をイメージしていたなら、すごいギャップがあったでしょう。僕は芸術が『落ち着いた文化教養講座』の枠に押し込められることへの抵抗を、デビュー以来大きなモチベーションとしてきた作り手です」

と持論を展開。「ヌード」という美術ジャンルが歴史的に「妙なもの」だという点を軸に話をしたつもりだったなどとしたうえで、

「『モデルをズリネタに』云々という文字がありましたが、おそらくこういう文脈で出てきたものです。美大油絵科の学生としてみんなとヌードモデルを描いていた時に、はたと気づいた。裸の女性が真ん中にいて、たくさんの男たちが(当時美大は男子学生が多かった)それを凝視している」
「そして言外に欲情は禁じられてる。これってなんなんだ? 何ゆえなんだ? 歴史的経緯は? 美術・芸術の領域(具体的には芸大上野キャンパス)から一歩出た世間は、まったく違う風か吹いているじゃないか? どっちが嘘をついているんだ? どっちが病的なんだ? そういう問いです」

と説明した。ほかにも、他のユーザーの声を引用するなどして、今回の件への言及を繰り返し行っている。

訴えられているのはあくまで学校法人側

   今回の提訴をめぐり、ツイッター上ではさまざま意見が上がった。弁護士の山口貴士さんは、「会田誠氏が講師だと事前に告知されており、事前に軽くネットで調べればどんな作風なのかも分かるのだから、自己責任としか言いようがない」と女性を批判。一方、あるユーザーは、「事前に講師の作風を調べておかなかった女性が悪い!って言われてるけど、会田誠の作品を知っててもさすがにこれはキツくないですか......」と報道記事のスクリーンショットを引用したうえで女性を擁護するコメントをした。

   一方、東京大大学院の加治屋健司准教授は「大学の対応の問題が大きいと思った」と学校側の姿勢に言及。「ただ、これを機に『事前の警告』の問題が日本でももっと議論されるとよいと思った」としたうえで、「英語ではTrigger Warningsと呼ばれる、この事前の警告は、以前同僚との会話で話題に出て以来、気になっていた」としていた。

   ほかにも「確かなのは、この民事訴訟は、個人原告vs学校法人瓜生山学園であって、会田誠ほか講師陣は訴外という事実は念頭に置くべきでしょう」と論じる声や、「弁護士ドットコムでも『講座の運営方法や告知の仕方、その後の対応について責任を追及していく』とある。そこを読み落とすと、たぶん本質から逸れてしまうと思う」と冷静にみる向きもあった。

   同大企画広報課の担当者は28日、J-CASTニュース編集部の取材に対し、法人側のコメントとして、「訴状が届いていないのでコメントできない」と答えるにとどめた。

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