2024年 4月 26日 (金)

銀行か、ITか、鉄道か。QRか、ICか。 キャッシュレス陣取り合戦の勢力図

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   スマートフォン(スマホ)を使ったQRコード決済サービスの「陣取り合戦」が過熱してきた。

   みずほフィナンシャルグループ(FG)は2019年2月20日、QRコードの新サービス「J-Coin Pay」を3月1日に始めると発表。先行するIT勢はソフトバンク・ヤフー系の「PayPay」が「第2弾100億円キャンペーン」を2月12日から始めるなど、利用者獲得に躍起だ。JR東日本の「Suica」など、端末にかざすだけで決済できる「非接触IC」を含め、キャッシュレスの覇者はどのサービスになるのか、目が離せない。

  • キャッシュ戦争の覇者は(イメージ)
    キャッシュ戦争の覇者は(イメージ)
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中国ペイ勢とも提携のJ-Coin Pay

   「J-Coin Pay」はメガバンク初のQR決済サービス。地方銀行など約60行も参加を決めており、顧客基盤は5600万人に上る。

   スマホにアプリをダウンロードし、銀行口座から1円=1Jコインでチャージして使う。店頭のQRコードをスマホで読み込んで決済する。利用者同士なら手数料なしで送金する機能もある。

   中国でQR決済を手がける「支付宝(アリペイ)」や「中国銀聯(ユニオンペイ)」とも連携。J-Coin Pay加盟店で両社も使えるようにして、訪日外国人客の需要を取り込む。

   数年以内に加盟店30万店以上と利用者650万人以上への普及を目指す。ファミリーマート、ビックカメラ、すかいらーく、JR東日本、ジャパンタクシーなど、幅広い企業が導入を検討している。加盟店が支払う手数料は、通常決済額の3~5%程度とされるクレジットカード各社を下回る水準に設定する。銀行は後発だが、銀行口座直結という安心感・信頼感を武器に、シェアを高めたい考えだ。

   先行するのはIT勢だ。「楽天ペイ」、「LINE Pay」、NTTドコモ系の「d払い」、独立系の「Origami Pay」などに加え、2018年秋にサービスを開始したPayPayは12月、買い物額の2割を総額100億円還元するキャンペーンを実施し、一気に知名度を高めた。

初期費用に強みのQR、弱点は...?

   クレジットカードの不正使用や、利用殺到によるシステム障害、10日間での早期終了など、良くも悪くも話題を振りまいたPayPay。第2弾は、還元率20%と変わらないが、1回の還元額を1000円相当、期間中総額も5万円相当までと上限を設け、幅広い利用を促す。

   QR決済の利点は、加盟店側の初期費用があまりかからないことだ。利用者がスマホで店頭のQRコードを読み取る形式の場合、店舗側が読み取り端末を導入しなくても済む。事業者に決済手数料を支払う必要はあるが、LINE PayやPayPayのように、期間限定で無料にしているところもある。事業者にとっては加盟店が多ければ多いほど、決済データが数多く集まり、新規ビジネスの創出にいかすこともできる。

   弱点もある。利用者が支払いの際にいちいちアプリを立ち上げるなどの操作が必要な点だ。その点、非接触型ICカードであるJRの「Suica」、私鉄の「PASMO」、イオングループの「WAON」、セブン&アイグループの「nanaco」、NTTドコモの「iD」などと比べると、使い勝手は劣る。これらは読み取り端末にかざすだけでよい。

   乱立するサービス競争から抜け出すのはどの陣営か、注目が集まる。

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