2019年 9月 24日 (火)

プラットフォーマーへの「リベンジ」図る公取委 強気の背景に何があるのか

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   公正取引委員会が、米国のAmazon.com(アマゾン・コム)やアップルなど「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業の取引実態を解明する本格的な調査に乗り出した。寡占化した市場で影響力を行使して、取引先が不当な取引を強いられるといった、独占禁止法に違反する取引がないかを調べる。

   特に、アマゾンジャパン(東京)が5月から始める新たなポイント還元サービスが出品事業者に負担を強いるとの見方が出ていることにも、メスを入れるとみられる。

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出店料などについて実態調査へ

   プラットフォーマーとは、インターネット検索やネット通販など、主にネット上のサービスを企業や個人が利用する際の基盤(プラットフォーム)を提供するIT大手のこと。これまで日本ではあまり規制の対象とはみられていなかったが、検索サービスやネット通販の普及に伴い、個人の検索や買い物の履歴などのデータが集まっている。こうしたデータが蓄積されるほどサービスの利便性が高まり、コストダウンも進み、一部の巨大企業による市場の独占・寡占が加速すると指摘されている。

   今回の調査は、ネット通販やスマートフォン(スマホ)向けアプリの業界を対象にしたアンケート。

   具体的には、まず、アマゾンなどネット通販サイトへの出店者。アマゾンだけでなく楽天やヤフー・ジャパンの日本勢への出店者も含む。出店料や利用料、利用規約などに関して実態を聞き、不当な契約を求められたり、不当な審査を受けたりしていないかなどを解明しようというもの。

   米アップルや米グーグルなどが運営するアプリストアにアプリを提供している業者も対象。アプリ販売は、アップルの「App Store」とグーグルの「Google Play」の2社寡占状態。アプリ開発者側から「販売手数料が高い」といった不満の声が出ており、これについても実態明らかにしようとするものだ。

プラットフォーマー相手に「下請け」化する企業

   政府は2018年、有識者会議を設け、専門家による監視、情報開示の義務化、寡占を強めるM&A(企業の買収・合併)の規制など検討を進めている。この中で、公取委はプラットフォーマーと取引先企業へのヒアリングを実施したが、秘密保持契約を理由に取引の実態を明かさない取引先が多かったため、十分な調査にならなかった。今回は、このリベンジともいえる。

   プラットフォーマーとの関係は、「取引先の企業規模にかかわりなく、大企業と下請けのような力関係」(公取委関係者)。このため、公取委は強い姿勢で調査にあたる考えで、山田昭典事務総長は調査着手を発表した2月27日の会見で、「運営事業者にヒアリングすることもある」とし、対応が不十分な場合、独禁法40条に基づく強制調査の「可能性を排除しない」と強調した。

   調査で特に注目されるのが、ネット通販のポイントサービス。折しも、アマゾンジャパンが5月から、全商品を対象にポイント還元を導入する方針を打ち出したことから、注目されている。

   アマゾンは購入額の1%以上をポイントとして還元する。原資は出店者が負担するとして、2月20日に出店者などに通知した。同様の出店者負担で顧客にポイントを付与する契約は、楽天やヤフーも出店者と結んでいる。楽天は「楽天市場」の購入者には1%分のポイント付与し、ネット通販だけでなく、旅行予約サイト「楽天トラベル」など楽天経済圏の多様なサービスで活用できるなど利便性を売りにする。一方、「ヤフーショッピング」を運営するヤフーでも購入者に1%のポイントが付くが、2016年からは出店者から販売額の2.5%分を徴収し、定期的な還元キャンペーンなどの原資に充てている。

違反の解消なければ「排除命令」なども選択肢

   こうしたポイント還元は消費者にとって恩恵があり、アマゾンなどは「出店者にとっても販売機会の拡大につながる」と、ポイントの意義を強調するが、出店者にとって、費用負担と販売機会の拡大の損得勘定が問題で、「合理的な範囲を超えた原資負担金」を求めているとなれば、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」にあたる可能性もある。

   違反行為が判明した場合、自発的な改善措置を促し、それでも違反が解消されなければ、行為を差し止める「排除命令」、さらに「課徴金」などの処分に発展するかもしれない。

   プラットフォーマーを巡っては、取引関係だけでなく、膨大な個人情報の扱いや、国境をまたぐ課税の在り方なども大きな課題。政府でも、消費者が自分のデータを他のサービスに移せる仕組みの整備なども検討している。いまや、インターネット上の様々なサービスは、生活に欠かせないインフラとなっている。プラットフォーマーの行動の公正さを確保することは、時代の要請といえるが、公取委の調査の行方が注目される。

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