2019年 12月 14日 (土)

「焼けた肌は汚い」だけではない 炎上の美ST特集、専門家が見た「問題点」

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   光文社の女性誌『美ST』の特集に「過剰で不適切な表現」があったとして、同社が2019年3月18日、公式サイトで謝罪した。

   3月15日に発売された『美ST』5月号をめぐっては、SNS上で疑問視する声が寄せられていた。

  • 美ST5月号
    美ST5月号

「リゾートでもダサいよ!日本の恥だよ」

   5月号では、「イエベもブルベもシミは全部とってトーンアップさせたい!」と題する特集を組んだ。

   誌面によれば、自分に似合う色がわかる「パーソナルカラー診断」の分類の一つに、肌の色に応じた「イエローベース(イエべ)」「ブルーベース(ブルべ)」という考えがある。

   イエベは黄みより、ブルベは青みよりの肌で、それぞれ同色系の服が似合うとし、前者は「社交的で明るい」「男の子ママ多し」、後者は「女らしいとか若いね、は(言われると)嬉しい」「口癖は『日に当たると赤くなっちゃうんです』」などの特徴があるという。

   誌面では「美肌に対するスピリットが違いすぎてバトル勃発」として双方の対立意見も紹介している。「イエべ」の言い分として、「(日焼け防止アイテムは)とにかくダサいよ!日傘・アームカバーとか燃やしてよし!」「リゾートでもダサいよ!日本の恥だよ」「アクティブじゃない!人生楽しくなくない?」とし、「ブルべ」は「焼けた肌って汚くない?」「50代で老けるよ」などと対抗している。

「生まれ持った体質を侮辱する発言」

   特集をめぐっては、SNS上で「イエべ」「ブルべ」の説明や特徴に疑義を呈す声や、対立構造に違和感を覚える人が少なくない。

   NPO法人日本パーソナルカラー協会は19日、J-CASTニュースの取材に「肌の色に応じて単純に2パターンに分類すると考えるよりも、イエローベースの中でもグラデーションがあり、ブルーベースも同様で、中間に位置する人もいます。そのため、診断にはプロの目が必要です。また、肌と同色系の服が必ずしも似合うとは一概には言えません。イエローベースでは、黄色い肌がくすんでみえたり、ブルーベースでは白い肌がより白く元気がないようにみえたりする場合もあります」と話す。

   また、特集を問題視した一人である、作家でライターの雨宮美奈子氏は取材に対し、 「性格や口癖などは、肌の色に関係なく個人に個性があるものです。特に『男の子ママが多い』というデータなき無根拠な決めつけには、怒りを通り越して呆れます。論文か何かデータでもあるのでしょうか?」と憤りを隠さない。

   さらに、対立構造での描写について、

「そもそも、センセーショナルな見出しにしたかったのでしょうが、肌の色で両者を競わせる発想が不愉快です。この特集を読んで、なんで私の肌色にこんなこと言われなきゃいけないの、と思った人は多くいるはずです」

と指摘する。

「特に、日焼けができない色白の人がビーチで長袖などを着ることを『日本の恥』と書いたり、『焼けた肌って汚くない?』と色黒の人を悪く言う発言には不快感を覚えます。これらは、生まれ持った体質を侮辱する発言です」(雨宮氏)

   以上を踏まえ、

「美ST自体は、個性的な美容ネタを取り扱うユニークな美容誌だと思いますので、今後は美容を通して誰もが傷つくことのない、自信を持つヒントにあふれた雑誌になってほしいなと強く願っています」

と要望した。

   出版元の光文社は3月18日、特集の中で「編集部の認識不足による過剰で不適切な表現」があったとして「読者の皆様をはじめ、関係者の皆様に、お詫び申し上げます」と公式サイトで謝罪。同社広報室は取材に対し、「皆様のご指摘を真摯に受け止め、今後の編集活動に役立ててまいります」と回答した。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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