2019年 5月 21日 (火)

山下泰裕氏よりも...? JOC新会長に田嶋幸三氏が急浮上した背景

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   日本オリンピック委員会(JOC)が退任を表明した竹田恒和会長(71)の後任問題で大きく揺れている。竹田会長は2019年3月19日、今年6月の任期満了をもって退任すると表明。新会長候補の筆頭として常務理事の山下泰裕・全日本柔道連盟会長(61)の名が挙がっているが、JOC関係者からは反発の声も。新会長は7月4日に行われる理事会で互選により決まる見通しだが、山下氏の他に新会長候補として複数の理事の名が挙がっており、後任問題は混迷を極めている。

   20年東京五輪の招致を巡る竹田会長の贈賄疑惑で、大会イメージの悪化が懸念される中で新会長が有力視されるのが山下氏だ。84年ロサンゼルス五輪柔道で金メダルを獲得し、同年10月に国民栄誉賞を授与された。現役引退後は全日本柔道男子強化ヘッドコーチを9年間務めあげ、13年6月に新任でJOC理事に。17年7月にはJOC常務理事となり、選手強化本部長に就任した。

  • 竹田氏後任に名前が挙がる、田嶋幸三・JFA会長
    竹田氏後任に名前が挙がる、田嶋幸三・JFA会長

求められるのは「クリーン」と「資質」

   選手時代の戦歴に加え、JOCでも出世コースを歩んできた山下氏。私生活でのスキャンダルは一切なく、新会長に求められる「クリーン」さを持ち合わせる。竹田会長の退任表明を受け、メディアでは一斉に山下氏の名が新会長候補として報じられたが、一部のJOC関係者からは反対の声が上がっている。

   反対するひとつの要因は、「会長」と「選手強化本部長」との兼任。山下氏は20年東京五輪の選手強化本部長の職に就いており、柔道だけではなく日本代表全体を指導する立場にある。選手強化の最高責任者として重大な責務を課されており、会長職を兼任することは不可能に近いと指摘する声も上がっている。

   JOC関係者が、もうひとつの要因として指摘するのは会長としての「資質」だ。竹田会長は、JOC会長の退任に伴い、国際オリンピック委員会(IOC)の委員の退任を表明。これにより、JOCの新会長には竹田会長に代わるIOC委員の期待がかかっている。現在、日本人のIOC委員は竹田会長と、国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長(60)の2人だけ。20年東京五輪を成功に導くためにも、JOCはなんとしてもIOC委員を送り込みたいところで、その最有力となる新会長にはIOC委員としての資質が問われる。

「政治力」持つIOC委員が必要

   そこで名前が挙がっているのが、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(61)だ。サッカーの元日本代表で、JFA会長とアジアサッカー連盟(AFC)の理事を兼任。日本のみならずアジアのサッカー界発展に大きく貢献してきた人物で、13年にJOC常務理事に就任した。筑波大大学院卒で立教大で教鞭をとった経験を持つインテリで、JOC関係者の間では、田嶋氏を新会長に推す声は多い。

   かつて、元サッカー日本代表監督の故・岡野俊一郎氏が長らくIOC委員を務めた。東大卒の岡野氏は語学が堪能で、国際舞台でいかんなくその力を発揮。90年にIOC委員に就任し、98年長野冬季五輪の招致に大きく貢献した。IOC内での発言力は強く、世界中にパイプを持っていたとされる。11年の退任まで12年間、IOC委員を務め、その貢献度から定年による退任後はIOCの名誉委員となった。生前の岡野氏を知るJOC関係者は、「田嶋さんは岡野さんとかぶる」と言う。

   今回の竹田会長の退任はIOCの「圧力」があったともいわれ、JOCとしてはIOCの意向に逆らうことが出来なかったとの見方もある。20年東京五輪では、野球とソフトボールが限定的に正式競技に復活したが、以降の五輪での実施は不透明で、競技存続にはIOCの支持が必須。加えて2030年冬季五輪の日本開催を目指しており、JOCは「政治力」を持つ人物をIOC委員として送り込む必要がある。

   新会長候補には山下氏、田嶋氏の他にかつての五輪メダリストがずらりと名を連ねる。竹田会長は退任するにあたり、「次代を担う若いリーダーにJOCを託して東京五輪を迎え、新しい時代を切り開いてもらうことが、最もふさわしいことだと思った」と語ったが、五輪本番まで500日を切っての退任劇にJOCが深刻な事態に直面している。

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