2019年 9月 20日 (金)

新1万円札は「地域色」強い? 裏面は「東京駅」、財務省にデザイン意図を聞く

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   新しい1万円札の裏面に「東京駅」がデザインされることが発表され、インターネット上では歓迎の声に混ざって「東京限定の紙幣やないねんから...」といった、地域色が出過ぎではないかとする声もあがっている。

   これまでも建築物が描かれる紙幣(日本銀行券、日本銀行兌換券)はあったが、法隆寺をはじめとした寺社仏閣が中心だった。近代建築では国会議事堂や日本銀行旧館がデザインされてきたものの、都道府県名がつく建物は例がない。

  • 新しい1万円紙幣は表面に渋沢栄一、裏面に東京駅が描かれる(財務省の発表資料から)
    新しい1万円紙幣は表面に渋沢栄一、裏面に東京駅が描かれる(財務省の発表資料から)

「東京限定の紙幣やないねんから...」

   財務省が2019年4月9日に公表した資料によると、新しい1万円札、5000円札、1000円札は24年度上期を目処に発行。04年以来の刷新となる。1万円札は表面に日本最古の銀行・第一国立銀行を設立した実業家・渋沢栄一の肖像、そして裏面には「東京駅丸の内駅舎」がデザインされる。

   赤レンガづくりの東京駅舎は建物としての人気も高く、ツイッターでは「一万円札東京駅じゃん!!!めっちゃほしい!」「鉄道好きとしては嬉しいね」などと歓迎の声があがった。一方で、

「大阪出身者として、新一万円札に東京駅ってのは納得かいかない...東京限定の紙幣やないねんから...」
「本州に住んでないから東京駅って言われても全く想像できないから馴染むの時間かかりそう」
「新一万円札は渋沢栄一氏に東京駅ってめっちゃ関東色強いように思える」
「新一万円札の裏が東京駅は地方軽視か?」

などと、地域色の強さを指摘する向きもある。

   建築家・辰野金吾の設計で1914年に竣工した東京駅舎。第二次大戦で焼失したが、復元工事が進められ2012年にかつての姿を取り戻した。明治・大正期を代表する建築物のひとつとして名高く、丸の内駅舎は2003年に国の重要文化財にも指定されている。

   過去にも建築物が描かれた紙幣は少なくないが、古くは1915年発行の10円札に護王神社(京都市上京区)、1930年発行の100円札に法隆寺(奈良県生駒郡斑鳩町)、1942年発行の5円札に北野天満宮(京都市上京区)などがデザインされてきたように、寺社仏閣が主だった。2000年発行の2000円札に首里城(沖縄県那覇市)、1944年発行の10銭札には皇紀2600年(1940年)を祝って建てられた「八紘一宇(はっこういちう)の塔」(八紘之基柱。宮崎市)が描かれた例もある。

基調の「茶色」との調和を考慮

   西洋化の影響を受けたいわゆる近代建築が紙幣に登場したのは、終戦直後となる1946年発行の10円札で、国会議事堂が描かれた。1951年発行の50円札には日本銀行旧館が採用されたが、この2つ以外に近代建築の例はない。まして、日本全国で使える紙幣に「東京」という都道府県名が入った建物がデザインされたことはない。こうした点からも上記のように一部ネットユーザーは「地域色」の強さを感じたのかもしれない。

   東京駅が選ばれた理由について、財務省の担当者は19年4月9日のJ-CASTニュースの取材に「発表資料に記載の通りですが、明治・大正期を代表する建築物の1つであることなどが大きな理由です」とした上で、別の観点からもこう話した。

   「1万円券は基調の色が『茶色』なのですが、裏面のデザインについてもこの基調の色との調和も考慮する必要がありました。他にも偽造防止の点など、さまざまな要素を盛り込んで東京駅に決まりました。

   また、昔は空港がなかったので、言ってみれば東京駅が『東京の玄関』にとどまらず『日本の玄関』としての役目も果たしてきたと聞いています」

   なお新1万円札の東京駅をめぐっては、表面の渋沢栄一との関係も取り沙汰されている。駅舎は、かつて埼玉県深谷市にあった企業「日本煉瓦(れんが)製造」が生産した赤レンガを用いて建造されており、この「日本煉瓦製造」の設立者が渋沢栄一であるためだ。

   こうした関係まで考慮して新1万円札の表裏をデザインしたのかについて財務省に聞いてみると、「結果的にこうなったというところです。それを理由に組み合わせが決まったわけではありません」と話していた。

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