2024年 4月 18日 (木)

「選手村マンション」は割安?それとも不便? 見学殺到も売れ行きは果たして...

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   2020年東京五輪の選手村を改装して作られる巨大マンション群「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」(東京都中央区)に熱い視線が注がれている。2019年4月末から公開された分譲マンションのモデルルームは6月中旬まで見学の予約でいっぱいだという。

   ただこのマンションには交通の便など課題も少なくない。その売れ行きが注目される。

  • 完成予想CG(プレスリリースより)
    完成予想CG(プレスリリースより)
  • 完成予想CG(プレスリリースより)

見学への応募は約1万5000組に

   晴海フラッグは、東京都の市街地再開発事業に基づき、三井不動産レジデンシャルなど11社が建築を進めている。約13ヘクタールに4145戸の分譲住宅をはじめ、商業施設など計24棟を作るもので、保育施設や小中学校なども同時に整備し、約1万2000人が生活する街に育てようという計画だ。

   五輪・パラリンピック中は建物が組織委員会に貸与され、選手や関係者のために約1万7000台のベッドを備える。25~130平方メートルの室内を壁で仕切って1~8人で使う。大会後、これを改修して2LDK~4LDKにする。この改修工事に時間がかかることから、2022年秋竣工、入居予定時期は2023年3月予定とされる。

   分譲マンションのモデルルームの見学には、既に約1万5000組が応募している。6月中旬まで予約がいっぱいで、休日には大勢の家族連れでごった返す状況だ。そんな人気の大きな要因は「中央区という都心に位置しているうえ、周辺の物件に比べてお値打ち感があると見られているため」と不動産関係者は話す。

不安要素は「交通の便」だが...

   銀座へは直線距離で約2.5キロ、東京駅までは約3.3キロという立地にある。さらに、価格はまだ公表されていないが、5000万円台から設定されているとみられている。全戸の専有面積が85平方メートル以上で、過去10年の都心6区(中央区や港区など)の分譲マンションの平均より20平方メートル以上も広いとされ、割安感は小さくない。

   ただ、問題もある。「最大の不安は交通の便だろう」(不動産関係者)との見方は強い。最も近い鉄道の駅は都営大江戸線の「勝ちどき駅」だが、徒歩で約20分かかる。往復で40分となれば、通勤、通学には厳しく、高齢者からも敬遠されかねない。

   交通の利便性確保のために導入が予定されているのがバス高速輸送システム(BRT)だ。晴海フラッグと新橋などを結ぶ予定だが、バスは鉄道に比べて輸送できる量は限られる。また、都心を走るため交通渋滞の影響がどれだけあるかも見通せない。

入居できるのは4年も先の話だけど

   一方、マンションに入居できる時期はまだ約4年も先の話。「ローンを組む時期に金利が上がっていないとも限らず、購入希望者にとっては懸念材料だ」との声がある。

   そうは言っても、都心にある広めの部屋は希少性があり、居住だけを希望するシニア層には魅力といえよう。三方が海に面しているという眺望の良さもモデルルーム見学者には大好評という。

   分譲マンションの販売は需要を見極めながら、数回に分けて行う方針で、その第1期の販売がこの7月下旬~8月に始まる予定。それまでに価格が決まるが、住宅事情に詳しいアナリストは「第1期の売れ行きが今後の販売動向を見るポイントになる」とし、注目している。

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