2019年 7月 18日 (木)

富士山で救助要請も勝手に下山 どう対処する?山梨県警に聞いた

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   富士山を登っていた東京都内在住の20歳代男性が山梨県警に救助を要請したものの、自主的な判断で下山してしまい、山岳警備隊員ら6人が夜遅くまで捜索する騒ぎがあった。

   ツイッター上などでは、「業務妨害ではないか」「全額費用負担すべき」などと批判が噴出している。そこで、対応した県警の富士吉田署に話を聞いた。

  • 野口健さんもツイッターで怒り
    野口健さんもツイッターで怒り

「そこにいて下さい」との県警の要請を聞かず

   「軽装備の登山のため、疲れて動けない」。こんな救助要請が富士吉田署に電話で入ったのは、2019年5月20日12時(午後0時)40分ごろだ。

   それによると、男性は、山梨県側の吉田口登山道を1人だけで登り、8合目付近で立ち往生してしまったという。この時期は、残雪が所々にある状態で、男性は、必要な登山届も出していなかった。

   男性に対し、同署では、少し時間を置いて、110番するように伝えた。こうすれば、携帯電話のGPSから男性が8合目に本当にいるかなどが分かるからだ。

   110番を受けた県警本部で男性の位置を確認し、遭難の際は現在地から動かないことが原則のため、この通話で「そこにいて下さい」と要請した。ところが、男性は、「体力が回復したので、自力で下山します」と主張したまま電話を切った。

   県警では、男性は危険な状態にあると判断し、その場所にいるとの前提で救助に行くことにした。大雨の予報でヘリは飛ばせず、警備隊員らが5合目から徒歩で向かった。しかし、110番通報の後、男性に十数回電話しても、呼び出し音が鳴るだけでつながらず、そのまま8合目付近の捜索を続ける。そして、天候悪化の恐れから、21時半でいったん打ち切った。翌朝から捜索を再開することも検討していたそうだ。

   その後、22時過ぎになって男性が自宅から電話をかけてきて、男性は、富士山の麓まで歩いて電車で自宅に帰っていたことが分かった。男性にケガはないという。

面会して山岳指導する予定

   この騒ぎが読売新聞の5月21日付ウェブ版記事で報じられると、ネット上で、男性の行動について疑問や批判が相次ぎ、様々な意見が書き込まれた。

   「命があって本当に良かった」などと男性の無事に安どする声が出る一方、男性が実際に自力下山を試みても連絡しなかったことなどに対し、「無責任なヤツだな」「非常識ですね」といった非難が続出した。山岳警備隊員らが2次災害の危険の中で捜索を余儀なくされたため、「業務妨害で告発しろよ」「捜索費用全額払わせるのは当然だ」との意見も出ている。

   登山家の野口健さん(45)は22日、ツイッター上で報道を紹介して、「これはとんでもない話だ! 救助要請しながら、自力で下山しそのまま帰宅していたとは」と怒りを露わにした。

   そして、「罰金を取る手段はないが、ペナルティーは必要」「近年、あまりに安易に救助要請をだす登山者が増えている。有料化を検討すべき」と指摘した。発表や報道では匿名だったことにも、「名前の公開ぐらいしてもいいだろうに」と疑問を口にした。

   富士吉田署の副署長は22日、男性に刑事罰があるかについて、「『下山する』とは言っていてウソをついたわけではないので、偽計業務妨害には当たらないと考えています。それ以外の容疑もないです」とJ-CASTニュースの取材に答えた。

   男性への救助費用請求についても、「業務妨害をしたわけでもなく、考えていません。それはちょっと違うと思います」と否定した。また、「遭難でも事件でもありませんので、名前を出すことはできないです」としている。

   ただ、男性に対しては、電話のほか面会もして、山岳指導をする予定だと言っている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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