2019年 10月 20日 (日)

楽天の「赤いSuica」は成功するか QRコード×おサイフが抱える課題

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   JR東日本と楽天グループが、キャッシュレス化推進に向けて連携すると発表した。

   スマホアプリ「楽天ペイ」で、電子マネー「Suica」の発行やチャージができるようになるというもの。2020年春の開始を予定している。

  • アプリ画面のイメージ画像
    アプリ画面のイメージ画像

Suicaチャージで「楽天ポイント」付与

   これまでの「楽天ペイ」は、バーコード・QRコード決済がメイン。スマホ画面のバーコードを見せるか、店頭のコードを読み取る必要があり、いわゆる「おサイフケータイ」より利便性で難があった。Suica対応によって、全国の鉄道やバスに加えて、店頭でもタッチのみで決済できるようになる。

   発表資料によると、楽天ペイアプリに「楽天カード」を登録していれば、そこからチャージできる上に「楽天スーパーポイント」がたまるという。対象機種は「おサイフケータイ」対応のAndroidだが、iOS(iPhoneなど)については今後検討していくとしている。

   コード決済と「おサイフ」のタッグ。楽天に先行しているのは、メルカリ子会社の「メルペイ」だ。三井住友カードとの事業提携により、「iD」に対応。19年2月の開始当初はiOSだけだったが、後にAndroidにも対応した。また、Androidの決済機能「Google Pay」を利用すれば、LINE Payを「QUICPay+(クイックペイプラス)」加盟店でも利用できる。コード決済ではないが、決済・送金サービスのKyash(キャッシュ)も同様だ。すでに普及している「おサイフ」の加盟店網に、そのまま乗っかれるのは強みだ。

「楽天経済圏」に暮らす人にはいいかもしれない

   利用者としては「おトクかどうか」も気になる。現状の「モバイルSuica」アプリでも、楽天カードからのチャージはできるが、ポイント付与の対象外。「楽天ペイ」でのSuicaチャージでは、どれくらいの付与率になるかは不明だが、もし街で楽天カードを使う時と同等であれば1.0%(100円で1ポイント)となる。

   JR東のクレジットカード「ビューカード」は、Suicaチャージで1.5%(1000円で15ポイント)の「JREポイント」が付く。また、チャージで1.0%以上付与される他社カードも一部存在する。なお、現状でモバイルSuicaにビューカード以外を登録した場合には、年会費(1030円)がかかるが、20年2月に無料化される予定だ。

   とはいえ、楽天ポイントをメインにためている、いわゆる「楽天経済圏」にいる人々には、1か所にまとめられるメリットは絶大だ。2019年6月5日の発表を受けて、ツイッターでは、

「楽天ペイがどんどん無敵になっていく」
「こりゃ、楽天経済圏がぐんと広がるな~!」
「これめちゃくちゃいいじゃん。Suicaチャージで楽天ポイント」

のように、好意的な反応が多い。

利便性には一考の余地がある

   ただ、利便性には一考の余地がある。発表によると、定期券やSuicaグリーン券の購入は、「楽天ペイ」ではなく「モバイルSuica」アプリで行わなくてはならない。ユーザーからすれば、同じ「Suica」なのに用途ごとにアプリを使い分けなければならないのは、ちょっと面倒だ。

   たまったポイントをSuica残高に「交換」できれば便利だが、現時点でそのような発表はない。Suicaのライバルでもある「楽天Edy」では、楽天ポイントからEdy残高へ交換できるため、混乱を招きかねない。また各社報道によると、オートチャージにも対応していないという。「メルペイ」などでは、コード決済と、おサイフ決済の残高は1か所にまとまっている。わざわざチャージする必要があるのはネックだ。

   消費増税にあわせて、19年10月から20年6月にかけて、政府主導によるキャッシュレス利用時のポイント還元が行われる予定だ。「赤いSuica」が生まれる来春には、さらにキャッシュレス戦争が激化しているはず。それまでに独自のメリットを示せるか。ペンギンがレッドオーシャンをどう泳ぐのか注目だ。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)

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