2024年 4月 26日 (金)

参院選前に「女系天皇」めぐる見解、続々 党による「違い」鮮明に

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   参院選を控え、安定的な皇位継承のあり方をめぐる各党の考え方の違いが鮮明になってきた。

   立憲民主党は「女性天皇」と、父方に天皇のルーツを持たない「女系天皇」の両方を認めるべきだとする論点整理を公表。これに対して、国民民主党は「女性天皇」には前向きだが、「女系天皇」には慎重な立場だ。野党の間でも考え方は割れている。

  • 安定的な皇位継承の検討は喫緊の課題だ(写真は2019年5月の一般参賀)
    安定的な皇位継承の検討は喫緊の課題だ(写真は2019年5月の一般参賀)
  • 安定的な皇位継承の検討は喫緊の課題だ(写真は2019年5月の一般参賀)

特例法付帯決議では「施行後速やかに検討」求める

   皇位継承をめぐっては、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が2017年6月に可決・成立した際の付帯決議に

「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方の御事情等を踏まえ、全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告すること」

とあり、議論を急ぐように求めている。各政党の検討の結果として分かれたのが、「女系天皇」をめぐる考え方だ。

   「女性天皇」は、男性天皇や親王のもとに生まれた皇族の女子が即位することを指し、過去に8人・10代(2人は2回即位)いる。いずれも夫の死後に即位するか、未婚のまま即位し、在位中は結婚しなかった。

   「女系天皇」は、女性天皇と結婚した夫との間に生まれた人が即位することを指し、日本では先例がない。

   立憲が19年6月11日に公表した論点整理では、現行の男系男子のままでは「皇位継承を極めて困難にする上、偶然性に委ねる余地があまりに大きい」とした上で、女性天皇を認めるが女系は認めない、という考え方については、

「一代限りの継承が可能になるだけでそもそも永続的安定性の確保につながらない」

として否定的。旧皇族を皇室に復帰させて男性皇族を確保する案にも

「連続性の感覚を国民全体で共有する術がなく、国民の自然な理解と支持を得ることは極めて困難である」

と否定的だ。共産党は志位和夫委員長が5月9日の記者会見で「女性、女系ともに、当然検討すべき」と述べており、ほぼ同様の立場だ。

伝統は「長く続いていることそのものに意義」

   一方、国民民主党の「皇位検討委員会」が6月11日に玉木雄一郎代表に提出した皇室典範改正案の概要では、女性天皇を可能にすべきだとする内容を盛り込んだものの、女系天皇については盛り込まなかった。玉木氏は6月12日の記者会見で、その理由を

「やはり、長年の伝統である、男系の流れというのは、相当慎重な議論をしないと、軽々には変えられない。少なくとも時期尚早」
「伝統というのは人間の英知ですべて計れるものではなく、長く続いていることそのものに意義があることがある」

などと話した。

   日本維新の会は、女性皇族が結婚後も公務を続けられる「女性宮家」の創設についてプロジェクトチームで議論を進めているが、結論は出ていない。自民党では、萩生田光一幹事長代行が6月3日の記者会見で、過去の議論をベースに「しっかり議論をしていきたい」と述べるにとどめた。PTや勉強会を立ち上げる予定についても「まったくわかりません」としており、党としての議論は進んでいない。

   菅義偉官房長官は6月11日の記者会見で、

「政府としては、天皇陛下のご即位にともなう一連の式典が、国民の皆さんの祝福の中でつつがなく行われるよう、全力を尽くしてまいりたい。その上で衆参両院の委員会で、可決された付帯決議に基づいて対応していきたい」

と発言。19年秋以降に検討を本格化させたい考えだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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