2019年 10月 15日 (火)

久保建英、光った「吸収力」 コパ・アメリカでの躍動に名良橋晃氏「ただ単にプレーしているわけではない」

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   サッカー日本代表は南米選手権(コパ・アメリカ)グループリーグ(GL)第3戦でエクアドル代表と1-1で引き分け、大会を去ることが決まったが、確かな「収穫」もあった。特にチーム最年少のMF久保建英(18)は攻撃の主軸の1人として躍動し、その実力を世界に知らしめている。

   久保の活躍の要因はどこにあったのか。今大会は東京五輪世代(現U-22)中心のメンバーで挑んだが、フルメンバーの代表でも活躍は期待できるのか。元日本代表でフランス・ワールドカップ(W杯)出場の解説者、名良橋晃氏に聞いた。

  • 名良橋晃氏
    名良橋晃氏

「試合中に相手の特徴、味方の特徴をインプットする」

   日本はエクアドル戦に勝てば決勝トーナメントに進出、引き分けか負けでGL敗退という状況だった。崖っぷちの最終戦で、第1戦以来の先発復帰となったトップ下の久保は果敢にゴールに迫った。得点はならなかったがシュート3本、ラストパス7本と、得点チャンスに何度も絡んでいる。

   特に左サイドのMF中島翔哉との連携を密にし、たとえば前半40分には久保が自陣中央で後ろからパスをもらうと、すでに最前線に走り出していたMF中島翔哉へとダイレクトパス。決定機を演出した。

   後半アディショナルタイムには、中島が相手陣内中央でボールを受けてドリブル。これと入れ替わるように左サイドへ流れた久保が受けると、ゴール前でフリーになった中島へもう一度ダイレクトパスを送る。中島のシュートはブロックされるが、こぼれ球を狙った久保が反応してゴールへ流し込んだ。だがオフサイドの判定となり、A代表初ゴールは幻に終わったが、エクアドルゴールを脅かした。

   スペイン・バルセロナ仕込みの高度な技術を持っているにしても、A代表で4戦目、先発は2試合目で、相手は日本が苦手としてきた本気の南米勢。その中で久保が躍動できたのはなぜなのか。名良橋氏はJ-CASTニュースの取材にこう分析する。

「『吸収力』を感じます。試合中に相手の特徴、味方の特徴をインプットしながら、それに合わせてプレーを変えられる。頭が良いですよね。ただ単にプレーしているわけではない。事前に想定していたこと、用意していたことができない時に、試合の中で対応できる力があります。

技術面で具体的に言えば、ボールの置き所がいいし、ボールをもらう前の視野も広い。短い間にいろんな選択肢を持てるようなプレーを常にしており、これらもプレーの幅につながっていると思います。一瞬の閃きや発想もずば抜けていますね。

多くの選手と連動したプレーもできますが、これは『聞く力』があるのだと思います。チームの一員として、自分発信だけでなく、周囲の選手の話を聞きながらプレーしていますね。だから周りの選手も動きやすいし、合わせやすいのだと思います」

「日本代表がもっと海外に出て試合する必要がある」

   久保は多くの選手と連携して決定機を作っている。前半25分には相手の縦パスをDF冨安健洋がカットすると、前線の久保がすぐにポジションを取り、パスを受けてミドルシュート。同37分には、右サイドのMF三好康児からペナルティエリア内でパスを受けた久保がゴールへ振り向き、左足で枠内へシュートを放った。

   後半23分には途中出場のFW上田綺世からパスを受けると、もう一度走り出した上田に絶妙なスルーパスでチャンスを演出。同90分は、MF柴崎岳から中島、久保とつないで、途中出場のFW前田大然に、相手CBの間をギリギリで通す絶妙スルーパス。前田のシュートにつながった。

   一方、チーム全体でシュート16本(うち枠内7本)を放ったが、得点は中島の1点のみ。久保も含めて他に得点は生まれなかった。結果が1-1ではなく2-1の勝利ならば決勝T進出だっただけに、1点の重みを感じさせる結果と言える。名良橋氏は今後の課題をこう述べる。

「久保選手に限ったことではないし、日本選手にとって永遠の課題ではありますが『決定力』ですよね。普段の練習の雰囲気から突き詰めていかないと、決定力不足の解消は進んでいかないと思います。前田選手も上田選手も、一番落ち着かないといけない状況で慌ててしまっています。これは練習の時から試合を想定した環境を作りながらやっていく必要があるでしょう。1つ1つのプレーをこだわりながら続けていくことです。

あとは、日本代表がもっと海外に出て試合する必要があると思います。海外での試合は国内とは全く違う経験を積めることが、今大会で選手たちも身に沁みたと思います。もちろん代表チームのスケジュールの問題はクリアしなければいけませんが、もっとアウェーの雰囲気で戦い、そこから何かを吸収してほしいですね。

ロシアW杯でも、敗れた決勝Tのベルギー戦は2-0から2-3にひっくり返されました。コパ・アメリカのウルグアイ戦(2-2)も、エクアドル戦も、日本が先制しながら追いつかれました。それは意地もあったと思いますし、南米の空気に押されたところもあったでしょう」

代表フルメンバーでも主力になれるか

   森保ジャパンのMFには南野拓実や堂安律を筆頭に、監督を兼任する五輪世代にも代表候補が複数いる。今後「フルメンバー」となったA代表でも久保は主力となっていくのか。名良橋氏は「やっていけるとは思いますが、当然激しい競争があります」としてこう話した。

「誰しもレギュラーを取りたいし、選手同士の組み合わせの善し悪しもあります。その点で久保選手は主力になれる能力はあるでしょう。味方に応じて柔軟にプレーを変えられるので、南野選手や堂安選手との組み合わせは森保監督も考えているはず。しかし、どの選手もそうですが、レギュラーを勝ち取るためには今後所属チームでどれだけ活躍するかにかかっています。日本代表の特定選手を指して『ビッグ3』『三銃士』と言われたこともありますが、実際は誰一人として地位が確保されているわけではありません。ですから我々のように発信していく側も気を付けたいと思うところはあります」

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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