2024年 4月 20日 (土)

ラグビー元代表・畠山健介が語る「W杯8強以上」実現に必要なこと

   J-CASTニュースでは、きたる「ラグビーW杯2019日本大会」へ向け、公式ボールと代表ジャージへ、ラグビーに縁(ゆかり)のある方々の直筆サインを入れてもらいながら「パス」をつなぐ「リレー企画」をスタートした。

   今回、登場いただいたのは、元日本代表FWの中でも「スクラムの柱」と言われる「3番・右のプロップ」畠山健介選手だ。

  • 日本代表ジャージに笑顔でサインをする畠山選手
    日本代表ジャージに笑顔でサインをする畠山選手
  • 日本代表ジャージに笑顔でサインをする畠山選手

伝説の南ア戦にも...屈強な体と精神で活躍

   テディベア? ドラえもん?? くまのプーさん??? みたいな「丸っこい」スタイルが女性ファンの間でも大人気の畠山選手。178センチ、115キロという体格で、スクラムの最前列で相手と組み合うポジションである。

   パッと見はイカつい...けど、柔和な表情、お茶目なコメントで、最近ではラグビー系の番組に引っ張りだこな選手だ。

   そんな畠山選手は、宮城県気仙沼市出身。小学2年からラグビーを始め、仙台育英高―早稲田大―サントリー、そして日本代表キャップ(出場回数)78という、押しも押されもしないプレイヤーとして、日本代表スクラムをけん引してきた。当時、海外メディアからも「スポーツ史上最大の番狂わせ」と評された2015W杯の南ア戦にも出場。優勝候補を相手に、スクラムで組み負けなかった屈強な体と精神の持ち主だ。

   ところで、何でラグビーを始めたんですか?

「兄が元々、やっていたんですよ。で、兄が始めたのは、母親がラグビー好きだったから。それで(兄の)送り迎えについていって、そのうち自分も始めるようになって」

   今でこそ、バラエティー番組などでも明るく活躍する畠山選手だが、当時は「そうではなかった」と振り返る。

ラグビーに出会うまで「見える景色が『真っ黒』だった」

   畠山選手は、幼少期を振り返り、

「自分自身に得意なものがなくて。何て言うんですかね...見える景色が『真っ黒』でした。ところが、親以外の大人に初めて褒められたのが、ラグビーのコーチだったんです。それこそ『暗闇に光が差したような感じ』でしたね。その光を、ずっと追い求めてきたら、いつの間にか、日本代表になっていました」

   では、ラグビーに出会っていなければ、不良になっていた?

「いや、もっとタチが悪かったと思います。引きこもりになっていたとか...。最近、よくニュースで見るような『何で?』みたいなことになっていたかもしれない...っていうぐらい、自分に自信がなかったですね」

   小学校時代から「大きかった」という畠山さんは、ラグビーによって、自身の人生を切り開いてきたという。

「W杯前から、W杯は始まっているんです」

   「W杯2019日本大会」は、9月20日に開幕する。日本代表は「8強」以上を目標に、日々、鍛錬を続けている。W杯出場経験を持つ畠山選手は、展望についてどう考えるのか?

「ティア2(世界ランキング8位~16位)の国が優勝してほしいですね。それが、願わくば、日本(6月現在で11位)であってほしいと思っています。可能性は、ゼロでないことは確かです」

   続けて、

「日本人って、頭がいいというか、少し先の未来を予測できる国民性だと思うんですね。でも、先を見て勝手に不安になるのが日本人だとも思います。楽観視ができない、すごいネガティブだなと」

   日本代表はW杯前に、

・フィジー戦(7月27日、岩手県・釜石鵜住居復興スタジアム)
・トンガ戦(8月3日、大阪府・東大阪市花園ラグビー場)
・南アフリカ戦(9月6日、埼玉県・熊谷スポーツ文化公園)

の3戦を行う。

   畠山選手は

「W杯前から、W杯は始まっているんです。特に3戦目の南ア戦が重要ですかね」

   実際、2015年大会前、ジョージアと2試合を行った。超重量級FWを相手に初戦「FWがスクラップにされた」と言われるほど、木っ端みじんに粉砕された。しかし、約9カ月後の次戦。13―10で勝利を収めた。1度は完敗した相手に勝てたことが、

「大きな自信になって(2015W杯初戦の)南ア戦に入れた。それが大きいですね。準備してきたものが、実を結んだ感じでしたね」

「8強」以上へ...何より「信じること」

   また近年は、いろんなスポーツで敵国の情報を収集し、データを分析している。

   W杯前の試合について、畠山選手は、

「言い方は悪いですけど、ちょっとぐらい負けてもいいから、手の内を見せないように、戦い方を全部変えてやってみる。(敵国に)データを収集させないためです。まったく違うプランニングで戦った方が、W杯に入るまでのアプローチは円滑になると思う」

   さらに続けて、

「選手、関係者、メディア、ファン...みんなが『信じること』。勝つ気がないんだったら『(選手も関係者も)辞めてくれ』って、本気で思います。(ファンも)応援する気がないのだったら『その場から降りてくれ』って。『勝つ』って、その気がないのに、その気があるふりをする。それ、一番ムカつきますから」

   最後は、畠山選手らしいコメントで締めた。

「車に乗ったら、ナビ入れるじゃないですか。お金があったら高速道路とか。行先もないのに、グルグル回っている方が不安じゃないですか。ナビに『8強以上』って入れたんだから『そこに向かってみんなで行こうや!』ってことじゃないですか!!」

   なるほど。「いいコメントですね!」と返すと、

「あ、本当ですか? ここ、絶対に使ってください」(笑)

(J-CASTニュース編集部 山田大介)

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