2024年 4月 24日 (水)

井上尚弥VSドネアが消滅危機? 「不信感」の背景にあるのは...

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   「モンスター」井上尚弥(26)=大橋=が出場を予定しているワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝戦が波乱含みの展開になっている。井上と対戦を予定しているノニト・ドネア(36)=フィリピン=が、主催者への不信感から出場を辞退する可能性が浮上。米メディアが2019年7月19日に報じたもので、ドネアは決勝戦の期日と会場が決まっていないことを理由に出場辞退の可能性に言及したという。

   トーナメント方式で開催されるWBSSバンタム級は、WBA、WBO、IBFの3団体の王者がエントリーし、タイトルマッチとして2018年10月、11月にそれぞれ1回戦が行われた。今年4月27日にドネアが準決勝を突破し、井上は5月18日にIBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(26)=プエルトリコ=を2回KOで下し、決勝進出を決めた。

  • 井上尚弥(2016年撮影)
    井上尚弥(2016年撮影)
  • 井上尚弥(2016年撮影)

井上陣営は11月開催の方向で調整を

   ドネアは井上戦に向けてミニキャンプを張るなど調整に入っていたが、準決勝を終えて3カ月近くたっても主催者から決勝戦の詳細の報告がなかったという。ドネアは自身のフェイスブックで、WBSSの出場機会を与えられたことに感謝しつつ、今年7月までにトーナメントのすべての日程が終了すると予想していたことを記している。

   米メディアの報道を受ける形でWBSSを運営するコモサのカレ・ザワーランド氏が19日に自身のツイッターを更新し、11月上旬に決勝を開催すると明かし、開催地に関しては数日間のうちに発表する予定であるとの見解を示した。井上陣営はすでに11月開催の方向にあることを認識しており、WBC世界バンタム級暫定王者で実弟・拓真(23)とのダブル世界戦の構想も浮上している。

   ドネア陣営にどこまで情報が伝わっていたかは不明だが、主催者とコミュニケーションがうまく取れていなかったことは明らか。たとえ11月開催が伝えられていたとしても、開催地などの詳細が明確でなければ不信感が募るのは当然だろう。開催地によっては調整法も変わってくるし、試合日時、開催地によってはドネアについているスポンサーとの調整も必要となってくるだろう。

スケジュール決定までに様々な要因が...

   なぜ試合日程がすんなり決まらず試合間隔がこれほどまでに空いてしまうのか。それはWBSSがトーナメント方式という性質によるところが大きいだろう。トーナメント方式であるがゆえ、あらかじめすべてのスケジュールをたてることが難しい。試合会場などは、勝ち上がった選手によって選定しなければならない。また、WBSSがスポンサー集めに苦しんでいるという状況にあることからスケジュール決定までに時間を要すると見られる。

   ボクシングの各団体の王者がトーナメント方式で優勝を競うWBSSは2017年にクルーザー級とスーパーミドル級の2階級において第1回シリーズが開催された。第2回目にあたる今シリーズは、クルーザー級、スーパーライト級、バンタム級の3階級が行われ、それぞれの階級で準決勝まで終了しており、今秋以降、決勝戦が予定されている。

   ドネアの主張はあくまでも主催者への不信感であり、井上との対戦を拒否しているわけではない。ドネア陣営への対応を見る限り、主催者サイドの「落ち度」は否めず、ドネアの主張はボクサーとして当然のものだろう。「モンスター」VS「レジェンド」が消滅するようなことがあれば、世界中のボクシングファンの信用を失いかねない。

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