2019年 8月 19日 (月)

編集長からの手紙 ネットニュースの「編集長」って、何をすればいいのだろう

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   筆者(竹内)がJ-CASTニュース編集長になって、そろそろ10か月が経ちます。この間、それなりに忙しく働いているつもりですが、ふと手が空いたとき、こんな疑問が脳裏をよぎります。

「僕は『編集長』として、J-CASTニュースの役にちゃんと立てているだろうか?」
  • 筆者がいつも座っている「編集長の椅子」。机の上はいつもモノでいっぱい
    筆者がいつも座っている「編集長の椅子」。机の上はいつもモノでいっぱい

よそさまのように経験もキャリアもなく

   ここ10か月、J-CASTニュースでは、有名フィギュア選手への中傷問題や、フリマアプリの支払い遅延騒動保育士大量退職などの独自ニュースのほか、野党代表から死刑囚の親族まで幅広い相手へのインタビューなど、「らしさ」のある記事を配信できたように思います。エンタメ、2月に立ち上げたスポーツカテゴリも、速報・分析・人物取材など様々な切り口を提供し、おかげさまで好評をいただいています。

   とはいえ、これらの多くは記者自らが企画を立て、取材・執筆したものです。編集長である筆者は、それにゴーサインを出したり、出てきた原稿にちょっと注文を付けたり、見出しを考えたりするくらい。なんだろう。僕って必要なのかしら。ついつい、編集部にかかってくる電話を取ったり、飲み会の幹事をしたりしていると、

「編集長は、もっと編集長としての仕事をしてください」

とツッコミが入ります。

   思えば、よその編集長は、マスコミでのしっかりしたキャリアがあったり、複数のネットメディアで長年の経験があったりと、「百戦錬磨」の方がほとんどです。一方、筆者は大学卒業後すぐにジェイ・キャストに入り、そのまま9年目。若い、と言えば聞こえも良いですが33歳。同世代や後輩には、うちの社内も含め、すでに華やかに活躍するスター編集者・記者も少なくありません。

   こうした中で、どのように、そしてどんな「編集長としての仕事」をしたものでしょうか。

「好奇心に貴賤はない」

   ネガティブになると、自分の中でこう問いかけます。

「大森さんだったらこういうとき、どうしただろう?」

   大森さんというのは、2017年に亡くなったJ-CASTニュース初代編集長・大森千明のことです。入社以来の上司であるとともに、記者・編集者・メディア運営者としてのイロハを教わった師匠です。

   とはいえ大森は、「メディアの役割とは~」「ジャーナリズムとは~」といったことを語ることはめったにありませんでした。その代わり、よく強調したのは「好奇心」の大切さです。

「好奇心に貴賤はない」
「J-CASTニュースは、大人の好奇心に応えるサイトだ」
「ものを『面白がる』スタンスを大切に」
「記者としての関心が狭くなると、大局が見えなくなる。『人間』としての興味を持て」

   当時のメモには、こうした発言が繰り返し登場します(ちなみに大森も、厳格な反面、70歳近くになってもアイドルやお笑い芸人にアンテナを張り、IT業界の最新動向に興味を持ち続ける、「好奇心」の人でした)。仕事柄、つい視野が狭くなりがちな記者たちを戒めるとともに、「J-CASTニュースは『好奇心』のメディアだ」というビジョン、目指すべき方向性を共有していたのでしょう。

   今思えばそれ自体が、「編集長としての仕事」の、大切な一つだったのではないかと思います。

   J-CASTニュースは2019年7月26日、創刊13周年を迎えました。これまでと同じく、「好奇心」を大切にするメディアとして、ネットの読者の皆様と歩いていきます。大森、そして歴代と比べて、頼りない編集長かもしれませんが、どうかよろしくお願いいたします。

(J-CASTニュース編集部 竹内 翔)

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