2019年 8月 21日 (水)

JR九州、輸送密度「危険水域」が約4割 ローカル線に生き残りの道はあるか

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   JR九州は2018年度の路線別・区間別の平均通過人員(輸送密度)を発表した。

   それによると旧国鉄が鉄道からバスに切り替えた基準「輸送密度4000人/日」を下回る線区が4割にものぼった。今後、JR九州のローカル線はどうなるのか。現状と予想を簡潔に解説したい。

  • JR下関駅で撮影したJR九州所属の列車
    JR下関駅で撮影したJR九州所属の列車

JR九州の「厳しさ」うかがえる内容

   JR九州が2019年7月12日に発表した路線別・区間別の平均通過人員(輸送密度)は路線ごとに「人/日」単位で明示されており、ひと目で「利用客が多い路線」と「利用客が少ない路線」がわかる。今回「輸送密度4000人/日」を下回った路線はJR九州全体の4割を占めている事が判明した。

   「輸送密度4000人/日未満」は旧国鉄が第三次廃止対象路線を指定するために用いられた基準だ。九州ではこの基準により旧伊田線(現・平成筑豊鉄道伊田線)や旧湯前線(現・くま川鉄道湯前線)など計5路線が指定された。

   ちなみに、第二次廃止対象路線は「輸送密度2000人/日未満」、第一次廃止対象路線は「営業キロ30km以内の盲腸線(行き止まり線)で輸送密度2000人/日未満」または「営業キロ50km以内で輸送密度500人/日未満」が基準となった。

   今回発表された「輸送密度4000人/日」を下回る路線には第一次廃止対象路線の基準に該当する線区もある。これらの路線は道路の未整備などにより指定から除外された路線だ。しかし、多くのローカル線はJR九州発足時の1987年から利用客が減少していることから、同社の置かれている状況がいかに厳しいか、容易に想像がつく。

「上下分離方式」にもハードルが

   JR九州に限らず、利用客が少ないからといって「即廃止」とはならない。現にJR九州も輸送密度の公表がすぐに路線の存廃につながることは否定している。しかし、民間会社として利用客が減りゆくローカル線を座視するわけにもいかないだろう。今後、JR九州としてはローカル線の収支改善や利用客の増加を目指して動くことになる。

   具体的には「上下分離方式」の導入が考えられる。一般的に線路の保有から列車の運行まで、すべての運営を鉄道会社の負担で行っている。「上下分離方式」は線路などの鉄道設備の保有と列車の運営を別々の事業体で行う方式を指す。

   たとえば、鉄道設備の保有を沿線自治体に任せ、既存の鉄道会社は列車の運営に専念する。こうすることで、鉄道会社の負担が減らせ収支が改善する仕組みだ。しかし、何らかの形で負担を背負う沿線自治体の反発も予想される。「上下分離方式」の導入が不可能な場合は路線の廃止もありうるだろう。

(フリーライター 新田浩之)

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