2020年 10月 30日 (金)

マスコミの「身元公表」要求に反発も 京アニ犠牲者めぐり反対署名に9000筆

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繰り返される遺族とマスコミの攻防

   実名公表の有無は、2005年に施行された犯罪被害者等基本計画で、「プライバシーの保護、発表することの公益性等の事情を総合的に勘案しつつ、個別具体的な案件ごとに適切な発表内容となるよう配慮する」とされ、警察が判断するとしている。

   これに対し、日本新聞協会と日本民間放送連盟は共同声明で次のように強く非難している。

「匿名発表では、被害者やその周辺取材が困難になり、警察に都合の悪いことが隠される恐れもある。私たちは、正確で客観的な取材、検証、報道で、国民の知る権利に応えるという使命を果たすため、被害者の発表は実名でなければならないと考える」
「実名発表はただちに実名報道を意味しない。私たちは、被害者への配慮を優先に実名報道か匿名報道かを自律的に判断し、その結果生じる責任は正面から引き受ける。これまでもそう努めてきたし、今後も最大限の努力をしたいと考えている。私たちはこれまで、この被害者名発表に関する項目に異議を唱えて改善を求めてきたが、それは、被害者対策と国民の知る権利という、いずれも大切な公益をいたずらに対立させるのではなく、調和させる道があると信じたからである」

   17年に起きた神奈川県座間市の9人殺害事件でも、今回のように遺族や代理人弁護士から実名報道を控えるようマスコミに要望があったものの、多くは未成年を含む犠牲者の名前・顔写真を掲載した。

   神奈川県弁護士会は当時、声明で「報道する側にも理由があるのでしょう。犠牲者の痛みを共有するためとか、社会全体で事件について考えるために、実名であることが必要だと言う方もいます。私たちとしても、『報道の自由』や『取材の自由』の重要性を否定しているわけではありません」と一定の理解を示しつつ、

「そこには、犯罪被害者、遺族のプライバシーがなぜ暴力的に奪われるのか、なぜ本人や遺族の同意なしに生活状況を書き立てられ、勝手に写真を使われるのか、なぜ自宅を報道陣に囲まれて帰宅できないような生活を強いられるのかについての答えはありません。プライバシーの権利とは、自分についての情報を適切にコントロールする権利と理解されています。『知られたくないことは知られない権利』『放っておかれる権利』ともいえます。犯罪被害者には、遺族には、プライバシーはないのですか。報道の正義のために、社会全体の理解のために、犯罪被害者、遺族のプライバシーが損なわれることが許されるのでしょうか。これまでも、過熱した報道によって、遺族の心や、被害者の尊厳が傷つけられてきました。私たちは、この問題について、もう一度考えてもらいたいです」

と呼びかけていた。

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