2019年 11月 20日 (水)

動物園が「中古でもいいのでほしい物リスト」公開 車、冷蔵庫、パソコン...日本モンキーセンターの切実な事情

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   「ご家庭や会社で不要になったもので、動物たちの役に立つものを募集しています」。霊長類の動物園・博物館を運営する公益財団法人・日本モンキーセンター(愛知県犬山市)が「中古でもいいのでほしい物リスト」を公開し、物品の提供を求めている。

   公開しているリストの物品は18品目あり、乗用車やパソコンなど多岐にわたる。ツイッターでも呼びかけると拡散され、応援の声も複数届いている。なぜこうした呼びかけを始めたのか。同センターは「財政的に厳しく、さまざまな形でご支援をいただきながら成り立っている動物園です」と話す。

  • 日本モンキーセンターの「中古でもいいのでほしい物リスト」ウェブサイト
    日本モンキーセンターの「中古でもいいのでほしい物リスト」ウェブサイト

「お持ちいただけそうなものがあれば、事前にご連絡ください」

   日本モンキーセンターは2019年9月11日、公式ツイッターに「『中古でもいいのでほしい物リスト』を始めました。ご家庭や会社で不要になったもので、動物たちの役に立つものを募集しています。リスト以外にも『これ、いらない?』ってものがあれば是非ご連絡ください」と投稿。呼びかけは3300回以上リツイートされるなど拡散している。

   投稿で紹介しているサイト上では「ご家庭や会社では不要になったもので、動物たちのために役に立つもの、動物猿(えん)の運営に必要なものを募集しています」として「中古でもいいのでほしい物リスト」を公開。「まだ使えるけど引っ越しなどで不要になったエアコン、電子レンジなどの電化製品や、洗濯洗剤などの消耗品など、お持ちいただけそうなものがあれば、事前にご連絡ください」と提供を呼びかけている。職員5人が並んで頭を下げ、「お願い」している写真がトップに掲載されている。

   同リストには乗用車、軽トラック、プレハブ小屋など巨大なもの、扇風機、エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、パソコンといった電化製品、さらに塩ビパイプ、洗剤・タオル類、業務用ゴミ箱など、全18品目をあげている。いくつかの物品には写真と注釈があり、たとえば乗用車は「園内外のイベントに大きな車が必要」。現在2002年式を使っており「寄附でいただきましたが、そろそろ限界のようです」という。軽トラックも「飼育業務の必需品」だが、現在01年式のものを使用している。

「慢性的に潤沢な資金がない」

   日本モンキーセンターはサル類の研究や野生のニホンザル保護などを目的として1956年に設立され、2014年に文部科学省所管の公益財団法人に移行した。南側に京都大学霊長類研究所が隣接しており、ゴリラ研究者として知られる霊長類学者の山極寿一・京大総長が同センターの博物館館長をつとめる。

   そんな歴史ある研究機関が、なぜ物品の提供を公募しているのか。日本モンキーセンターの広報担当者は12日、J-CASTニュースの取材に「慢性的に潤沢な資金がない状態です」と話す。

   同センターはもともと名古屋鉄道が経営する遊園地「日本モンキーパーク」と一体だったが、14年に公益財団法人化して動物園・博物館が切り離され、現在の形になった。「大きな企業から離れ、公立でもないため自治体からのバックアップがあるわけでもありません。入園料などの収入を頼りに運営していますが財政的に厳しく、さまざまな形でご支援をいただきながら成り立っている動物園です」と担当者は話す。

   財政問題に直面する中ではじめたのが、通販サイト・アマゾンの「ほしい物リスト」。19年4月に作成・公開し、物品の寄付を募るようになった。その後の議論の中で、もし家で余っている洗剤などを寄付してもらえるのであれば大変ありがたいと、今回の「中古でもいいのでほしい物リスト」をサイト上で公開した。

若い飼育スタッフ中心に発足した「ツイッターを盛り上げる会」

   上記のようにツイッターの投稿が拡散され、応援の声も届いているが、その裏にはスタッフの努力があったようだ。

「入園者が増えず財政的に厳しい中、若い飼育スタッフ中心に何とかしたいと『ツイッターを盛り上げる会』を18年7月ごろに発足し、動物たちの写真・動画を積極的にアップするようになりました。多くの方々にご覧いただくことが動物たちのためにもなると思っています。メンバーは全7人で、『中古でもいいのでほしい物リスト』のサイトトップに掲載している(頭を下げている)写真の5人もメンバーです。

今回、リストを発信するといろんな方から応援メッセージをいただいたり、リツイートして拡散してくださったりしています。5年前ならウェブにアップしてもそれほどの広がりはなかったと思いますが、おかげさまでこの1年超でフォロワーも増えまして、多くの方々の目に触れるようになりました」(担当者)

   確かに、ツイッターでは毎日のように動物たちの「オフショット」を公開しており、リプライで「更新楽しみにしてます~」「これは笑った。編集がズルイ」「スゴイです!!カワイイ~」など好意的な声が日々届く。今回の「ほしい物リスト」呼びかけにも「いつもここで癒されているお礼を、いつかできるようにしたいです」といった応援の声が寄せられている。

   リストの物品については「ありがたいことにキャリーバッグなどのご支援の連絡をいただいています」といい、他にも安価なものを中心に連絡を受けている。だが、やはり乗用車など巨大で高価なものはそうはいかない。担当者は「難しいとは思いつつ、本当に困っているのでリストにあげさせてもらっています...」と話す。

   物品提供の連絡はサイト掲載のメールアドレスから受け付けている。なお「こちらから送料をお支払いできず、お手数なのですがお持ちいただくようお願いしています」としている。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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