2024年 4月 27日 (土)

ラグビー「オフロードパス」は「諸刃の剣」 それでも日本代表が多用できる理由

昔は「やるな!」と注意されたが...長期合宿で「ONE TEAM」となった賜物

   記者は現役時代、WTB(ウイング・スリークオーター・バックス)でプレーしていた。WTBとは、文字通り「翼」という意味で、両翼からスピードで一気に走る。現日本代表でいうなら、福岡堅樹選手、松島幸太朗選手のポジションだ。

   しかし、WTBはタッチライン際を走るため、相手にタックルされて押し出されると「相手ボールのラインアウト」となってしまう。そこで、片手で必死にボールを返すのだが、当時のコーチからは「そんな軽いプレーをするな! 相手にボールを奪われたらカウンターを食らうぞ!」と怒られていたものだった。

   しかし、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は代表を招集し、「世界一」とも言われるハードな合宿を行った。その練習の中で、スローガンでもある「ONE TEAM」を作り上げていった。

   「倒れながらも放れば、必ずアイツがサポートしに来ている」。この例えには違和感がある人がいるかもしれないが、サッカーやバスケットボールでいうところの「ノールックパス」とほぼ同義だと思っていただいていい。強い信頼感と結束力で「オフロードパス」に磨きをかけた。

   確かに相手にインターセプトされてしまうと、敵のビッグプレーに繋がる「諸刃の剣」でもある。しかし今の日本代表は「絆」がある。だからこそ、できるプレーとも言える。

   次は10月20日、南アフリカ戦(東京スタジアム)だ。ここで、どんな「オフロードパス」を見せ、相手を切り裂いていくのか...注目したい。

(J-CASTニュース編集部 山田大介)

【10月18日昼追記】「オフロードパス」の「ロード(Load)」の語義について追記しました。また、これに伴い一部表記を修正しました。

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