2020年 1月 26日 (日)

スペースジェット「6度目の延期」も現実味 前向き会見もむしろ「厳しさ」浮き彫り

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   国産初のジェット旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」の納入がまた遅れるおそれが出てきた。

   同機を開発する三菱航空機は2019年12月20日、名古屋市で開発の進捗状況を説明する記者会見を開き、2020年半ばを予定している初号機の納入時期について、水谷久和社長が「依然として厳しい状況であることに変わりない」と述べ、ギリギリの状況にあることをにおわせた。関係者からは「6度目の納入延期は不可避では」との声も漏れ聞こえる。

  • 無事に「離陸」できるか(プレスリリースより)
    無事に「離陸」できるか(プレスリリースより)

10月の会見から「後退」

   スペースジェットは当初、2013年に全日本空輸(ANA)への納入を目指していたが、開発遅れでこれまで5回にわたり納入時期を延期している。現在は運航に必要な「型式証明」と呼ばれる航空当局の認証取得に向け、米国で国土交通省のパイロットが乗り込んでの飛行試験を実施中。これまでに3000時間以上の試験が終了し、一般的に型式証明取得に必要とされる2500時間を突破した。当初は国土交通省や米連邦航空局(FAA)などから、2019年のうちに型式証明取得を目指す意向を示していたが、そのスケジュールは頓挫したことになる。

   取得遅れの要因は、新設計の試験機(10号機)の完成遅れだ。10号機は飛行制御機器の配置変更などの設計変更をしたうえで、2019年秋から飛行試験を始める予定だったが、いまだ完成のメドが立っていない。親会社である三菱重工業の泉沢清次社長は10月下旬の記者会見で「(2020年の)年明けには飛ばしたい」とコメントをしたが、水谷社長は12月20日の会見で「スケジュール全体を見直している中で、10号機をいつ出せるかについても言える状況にはない」と説明し、後退してしまった。

強気の姿勢は崩さなかったが...

   会見に同席したアレックス・ベラミー最高開発責任者は「これまでの試験機はいわば『プロトタイプ(試作品)』で、型式証明を取るのにふさわしい機体ではなかった。新設計の試験機は2017年以降に行った数々の改良により、型式証明を取れる機体になった」と説明。「民間航空機をつくれる国は世界に多くないし、つくれる企業も多くない。いま日本と三菱航空機は、そのわずかな国と企業になろうとしている」と強気の姿勢を崩さなかった。

   だが、納期があと半年余りに迫るなか、まだ型式証明が取れていないということは、スケジュール的に追い込まれていることに間違いはない。会見では「いつまでに型式証明が取れる見通しなのか」との質問に、水谷社長は「試験は当局が行うもので、いつごろ取得できるかということは、我々から言えるものではない」と答えるばかり。むしろ2020年半ばという見通しが厳しいことを浮き彫りにした記者会見だった。

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