2020年 2月 22日 (土)

「政治資金収支報告書」を見てみよう 調べ方、確認するポイント、仕組みを紹介

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   新聞やテレビで「桜を見る会」のニュースを見ていると、「政治資金収支報告書」という言葉をよく目にする。たとえば、「桜を見る会」前夜の夕食会をめぐり、安倍首相は「後援会としての収支は一切ないことから政治資金収支報告書への記載は必要ない」、野党側は「脱法行為だ」と、言い合っている場面などだ。

   「政治資金収支報告書」と聞くと、わかるようでわからない。そもそも、ちゃんと見たことある人も少ないはずだ。ということで、今回は「政治資金収支報告書」とはなにか、どうやったら見れるか、について考えていきたい。

  • 総務省の「政治資金収支報告書」公開ページ
    総務省の「政治資金収支報告書」公開ページ

「政治資金収支報告書」の「収入」面

   まず、「政治資金収支報告書」とは、一般的にいうと、政党や政治団体などが「政治資金規正法」に基づき、1年間(1~12月)の収支、保有資産などを記載。1年ごとに提出しなければならないものだ。家庭でいうと、「家計簿」に近いイメージだ。

   ただ、「家計簿」は書き方自由だが、「政治資金収支報告書」は書き方が細かく定められている。表紙には、団体名、代表者名、中には収入、支出の順に内訳を書いていく、という具合だ。

   では、「収入」面。その内訳は「政党交付金」、個人や企業・団体からの「寄付」、政治資金パーティーの会費、繰越金などがある。

   この「収入」が、政治のために使う資金、つまり「政治資金」となるのだが、財源は

   1 「政党交付金」

   2 個人や企業・団体からの「寄付」

   3 政治資金パーティーの会費

   この3つに主に限られている。後段でも触れるが、ロッキード事件やリクルート事件などのいわゆる「政治とカネ」の問題の反省を踏まえた措置だ。

   「政党交付金」とは、政党ごとの国会議員の数と選挙で得た票の数で額が決まるもので、国民が税金として1人250円を負担している。使い道に決まりはない。リクルート事件の反省から、企業などからの寄付をなくし、その分を補うために始まった。

   さらに、年間5万円を超す寄付は氏名、住所、金額などを記載。政治資金パーティーで20万円を超える会費を支払った人の氏名、住所、職業などを記載する必要がある。

「政治資金収支報告書」の「支出」面

   つぎに「支出」面。国会議員の「関連政治団体」だと人件費を除く1万円を超す支出について領収書の添付が義務付けられ、支出先の名前、住所、日付などの個別内容を記載。

   「その他の団体」だと人件費や事務所費を除く5万円を超す支出について、領収書の添付が義務付けられ、支出先の個別内容を記載、となっている。

   ここで押さえておきたいのが、政治家は「政治団体」を複数持っている場合があるという点だ。たとえば、安倍首相の政治団体は、政党支部を含めて6つ。「自由民主党山口県第4選挙区支部」、「安倍晋三後援会」、「山口晋友会」、「山口政経研究会」、「東京政経研究会」、「晋和会」だ。

総務省サイトより
総務省サイトより

   さらに補足すると

   「政治資金団体」

   ―政党に資金の援助をするための団体、政党の献金の受け皿となり、資金の流れを透明化する目的。「政治資金団体」は政党だけ設立可能で、その数は1つ。団体献金の受け取りは可能。

   「資金管理団体」

   ―「資金管理団体」の届け出をしたひとは、政治活動に関する寄付を政党から受け取ることができる。その金額に制限なし。また、そのひとが「資金管理団体」に寄付を行う場合も金額の制限なし。これは「資金管理団体」だけの特典。一方で、「資金管理団体」は政治家(候補者)1人につき1つしか指定できない。また、5万円を超す支出について、領収書の添付が義務付けられ、支出先の個別内容を記載、となっている。

どうやったら「政治資金収支報告書」を見られる?

   全国に6万以上あるともいわれる、政治団体。これらの一つ一つが、政治活動を行う場合は届け出をする必要がある。都道府県をまたいで活動する場合は総務省へ、1つの都道府県内で活動する場合はその地域の選挙管理委員会へ、提出するという仕組みだ。

   そして、これらの政治団体が毎年提出するのが「政治資金収支報告書」で、毎年11月末までに前年分が、総務省や全国の選挙管理委員会から公表される。3年間、自由に閲覧可能で、総務省や全国の選挙管理委員会で実際に公開しているほか、ネット上でも見ることができる。

   ただ、2019年12月現在、新潟、石川、福井、兵庫、広島、山口、福岡がいまだにネット未公表だ。さらに、政治団体がまったく関係ない名前であるなど、政治家の名前から関係団体を見つけるのは難しい場合もある。政治家本人の届け出に基づき、総務省が政治家の関係団体のリストを公表しているが、届け出がない限りわからないこともあるので、注意が必要だ。

「これまで」と「これから」

   ここで違反した場合はどうなるのかも確認したい。「政治資金収支報告書」に必要な事項を記入しなかった「不記載」のケース、事実とは違う内容にした「虚偽記載」のケースは、5年以下の禁錮や100万円以下の罰金のほか、翌年から政治活動ができなくなる。

   「政治資金収支報告書」の絶対的なルールとなっている「政治資金規正法」にはこうした理念が定められている。

   「政治家や政治団体などによる政治活動が、公明かつ公正に行われるように、政治活動のための資金の収支の公開や、そのやり取りについて、国民の不断の監視と批判の下に行われるようにし、民主主義の健全な発達を図る」というものだ。

   政治資金規正法の制定は1948年。当初は収支のみ公開で、寄付制限はなかった。しかし、ロッキード事件やリクルート事件などを受け、1994年、選挙制度改革・政党助成制度の導入とあわせて大幅な改正が行われ、企業から政治家個人への献金禁止、企業・団体からの寄付の対象は政党(政党支部)、政治資金団体、資金管理団体に限定された。また、匿名寄付の禁止、年間の献金上限額なども定められた。

   だが、みなさんご存知のように「政治とカネ」の問題は、改正以降もたびたび繰り返されて、専門家からは「政治資金収支報告書」の「抜け道」も指摘されている状況だ。政治家の政治資金の財源は、一部が税金で賄われていることを念頭に、厳しい目で政治家の政治活動を監視することが重要で、これを機に一度、居住地の政治家の「政治資金収支報告書」を見てみては?

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