サンテレビは2020年2月18日、ファンタジー風異世界の性風俗店を描いたアニメ『異種族レビュアーズ』の放送を打ち切ると発表した。同作をめぐっては、東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)も「編成上の都合」により打ち切っていた。これで地上波での放送はKBS京都のみとなる。人間の主人公が異種族の性風俗店に通い...『異種族レビュアーズ』は、1月11日からMXテレビ、サンテレビ、KBS京都などで放送していたテレビアニメ。公式サイトによると、「人間だけではなく、エルフ、獣人、悪魔に天使と、あらゆる異種族が混在し、暮らしている世界」で、人間の主人公が異種族の性風俗店に通い、批評していくストーリーだ。しかし東京MXは2月7日、「編成上の都合」により今後の放送を中止すると発表した。サンテレビも18日、同じ理由で続いた。これでBS、ケーブルテレビ、ネット配信を除き、地上波での放送はKBS京都のみとなる。異種族レビュアーズをめぐっては、その過激な内容が賛否両論を呼んでいる。放送倫理・番組向上機構(BPO)が公式サイトで公開する「視聴者からの意見」欄(1月付)には、「風俗店を題材にした性的な内容の深夜アニメが放送されている。セクハラ行為をギャグにするなど女性差別的な描写もある。このようなアニメが年齢規制もなく青少年が見られる現状に憤りを感じる」と、同アニメを指したとみられる意見が掲載された。BPO委員の見解はこの意見は、1月28日に開かれたBPO青少年委員会の会合で話し合われた。議事録によると、委員からは「気持ち悪いから、下品だからという視点での評価については、言論・表現の自由との関連で非常に慎重にしなくてはいけないと思う」「遅い時間帯の子どもの視聴については、保護者にも配慮してもらうという民放連の規定も踏まえて検討する必要がある」「昔はテレビの深夜時間帯は大人のものという切り分けができたが、今はネットで24時間いつでも見られるため、社会的な時間の分け方の状況が変わってきている。そういう変化をどう捉えたらいいのか考えさせられる」「テレビは子どもだけを視聴者として対象にしているものではないので、深夜帯に大人向けのアニメを、表現の自由の範囲内で放送することはできるというスタンスでテレビ局は制作しているのだと思う」「制作する人や原作者の過激化というのが、アニメには限らないので、これがじわじわと深夜から普通の時間内に入ってくることには気をつけておくべきだ」などの意見があり、この件については「これ以上話し合う必要(は)ないとなりました」と結んでいる。
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