2020年 4月 3日 (金)

中国・武漢の御用新聞『長江日報』 新型コロナ報道で買った市民の反感

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   中国における新型コロナウイルス肺炎関連の情報は、2020年3月に入り、武漢を除いてあまり目立たなくなった。3月5日現在、新型肺炎にかかった患者数は中国全土で2万7413人。治療が終わって退院する人が5万0027人と、治癒した人のほうがずっと多くなっている。

   一方で、2月半ばまで、新型コロナについての情報は、その発生源とみられる武漢地元の新聞である『長江日報』からほとんど発信されなかった。武漢に記者を派遣した北京のメディア『財新』、上海メディア『第一財経』、さらに武漢に在住している作家の方方氏の日記などが、武漢関係の情報の出所となっているのだ。

  • 北京では地下鉄に乗る前にすべての人の体温を測る。人との距離もできるだけ1メートル以上に空けるようにしている(3月4日撮影)
    北京では地下鉄に乗る前にすべての人の体温を測る。人との距離もできるだけ1メートル以上に空けるようにしている(3月4日撮影)
  • 北京の老舗レストランの東来順。春節以降、ホールでの営業は一切なく、デリバーするか買って帰るか客はそれしか選択できない(3月4日撮影)
    北京の老舗レストランの東来順。春節以降、ホールでの営業は一切なく、デリバーするか買って帰るか客はそれしか選択できない(3月4日撮影)

閉鎖中も「武漢市長をもっと暖かく見守ろう」

   武漢でもっとも影響力が大きい日刊紙『長江日報』(バイドゥの調査では発行部数約26万部)は、1月20日まで新型コロナ関連の情報をまったく伝えなかったうえ、1月23日から武漢が閉鎖される中で、独占的に武漢の情報を伝えることができたのに、そのような情報も皆無だった。

   『長江日報』は、常に地元政府の行動の正当性を大々的に宣伝し、武漢市共産党委員会書記の発言、さらにその書記の指導のもとで、武漢市長の行動などをポジティブに取り上げ、広報記事を作成していた。

   1月23日から武漢市は閉鎖され、その前に500万人の武漢の人はいそいでその他の都市に逃げ込み、武漢以外では相当の差別を受けている。一方、市内に滞留している900万人は、感染の危険をさらされるだけでなく、まったく外出できず、家を出てもバス、地下鉄が使えない、不便窮まる生活に余儀なく強いられている。

   その中で2月11日に『長江日報』はこんなタイトルの記事を公表した。

「新型コロナと勇敢に戦い、武漢市長をもっと暖かく見守ろう」

   記事の内容は、武漢の周先旺市長は世論からのプレッシャーを受けながら、いつでも罷免を甘んじて天下に謝る気持ちでおり、高い地位にいながら新型コロナと戦い、武漢を閉鎖する英断をくだした、というもので、使えるほめる言葉を羅列した。

   しかし、1400万人の武漢市民で『長江日報』の論調に賛同する人は、はたしていただろうか。

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