芸能人に対するネット上の誹謗中層が相次ぐなか、タレントの指原莉乃さん(27)がこういった書き込みを「卒業」するように連日呼び掛けている。念頭にあるのが、タレントの川崎希さん(32)をめぐる事案だ。川崎さんの事案では匿名の書き込みでも刑事責任が問われることが改めて明らかになった。指原さんは「どんな人がどんな気持ちで書き込んでいるのか興味があった」として、過去に法的責任を問われるような書き込みをしたことがあるか、フォロワー(読者)に対して経験談を募集。そこに寄せられた返答には驚くべき内容のものもあった。指原さんがそれを非難する書き込みをしたところ、そこに寄せられた反応も「衝撃的」。フォロワーのリテラシーの低さを嘆くことしきりだ。匿名で書き込んでも特定されて告訴される川崎さんのブログの書き込みによると、匿名掲示板に誹謗中傷の書き込みが「凄まじい数」あり、中には自宅への放火を教唆する内容もあった。川崎さんは弁護士を通じて、掲示板の運営会社に対して発信者情報の開示請求を行い、書き込んだ人物を特定。警視庁に対して告訴し、警視庁は女2人を侮辱容疑で東京地検に書類送検している。川崎さんは一連の経緯を2020年2月4日にブログで報告した。指原さんは同日、書類送検について報じる記事をツイッターでリツイート。同日夜、発信から24時間で消えるインスタグラムの「ストーリー」機能で、自分のアカウントにも「過激な悪口DM」や「ライトな悪口」が来ていたとして、「私がそれを訴えたら芸能人に悪口のDMを送ってたことが家族だったり会社の人だったり学校の人にバレてしまう時代なわけで...」と、誹謗中傷にはリスクがあることを強調した。その上で、「DMだけじゃなくて、掲示板だったり心当たりがある方はそういう活動から卒業したほうがいい」と呼びかけた。「一回SNSやめたほうがいい。難しいですよね」指原さんの「芸能人の悪口を書く人」に対する関心は尽きず、翌3月5日夜、インスタグラムに「芸能人の悪口書いちゃって訴えられたらやばいって過去ある人いますか?」「興味本位なのでみるだけ!載せません」と書き込み、体験談を募集した。その後の指原さんの書き込みによると様々な返信が寄せられたようで、指原さんにとっては「非常に興味深いテーマ」。返信の内容について「『〇〇って書いちゃったんですけどやばいですかね』と心配している人もいたし、『匿名なのにバレちゃうんですか?』と心配してる人たちも」と紹介し、改めて「一回SNSやめたほうがいい。難しいですよね」と呼びかけた。居住地書き込んだアカウントには自分の名前や子どもの写真も...返信の中には「悪口」のレベルを超えて、身の安全に関係するものもあった。それが「サッシ―が●●(編注:指原さんが画像をかぶせて伏字にしている)のマンションに住んでるって書いたことがあるw」というもの。指原さんは「気持ち悪いですね。アカウント控えました」というコメントとともに書き込みを紹介し、「震えて眠るんやろなあ 人生いろいろ」と嫌悪感を隠さなかった。だが、この書き込みには、「マンションかかれた人のやつ、載せていいんですか?載せないから教えてって書いてましたよね」といった指原さんを非難するような声も寄せられ、指原さんは「すごい時代」と、あきれた様子で返信した。 指原さんは3月6日朝、一連の経緯を改めてツイッターで説明した。芸能人の「悪口」を書いた経験談を募ったのは「どんな人がどんな気持ちで書き込んでいるのか興味があったから」で、その返答には「色んな人がいるなあという感想と同時にこんなにネットリテラシーがないんだなあと驚きました」。かつての自分の居住地を書いた人物については「本当にゾッとしました」と振り返った。その理由として(1)その場所に実際に住んでいた(2)当時、そのような書き込みが実際にあり、それが原因で引っ越した(3)書き込んだアカウントは自分の名前や子どもの顔も載せている「本アカウント」らしいこと、を挙げて「あの時の不安だった日々の答え合わせが今更できたようですごく気持ち悪かったです」と、当時の恐怖を思い出した様子だ。「皆さんの中で『マンションを書く』は『悪口』と同じなんだなあと衝撃的でした」「載せないから教えてって書いてましたよね」といった反応が寄せられたことには、「皆さんの中で『マンションを書く』は『悪口』と同じなんだなあと衝撃的でした」と驚きを隠さなかった。 指原さんは(1)居住地を書いた「犯人」が当たり前にメッセージを送ってきたことが「異常すぎた」(2)自分の募集に応じて送られてきた「悪口」をめぐるエピソードは公開していない(3)居住地を書き込んだ人物のアカウント名などを公開したわけではない、などと反論。ただ、寄せられた反応の半数が「晒す指原が悪い!」といったものだったという。 こういった反応には、仮に指原さんが個人情報や居住地についての書き込みをめぐって法的手段を取った際も「怒る方と納得される方が半々なんだと思います」と推測。自らの書き込みで法的責任を問われることを恐れる人が「たくさんいろんだろうなあと改めて感じました」(原文ママ)と「予備軍」の多さを嘆きながら「自分に子供ができたらネットリテラシーだけはしっかりと叩き込もうと決意」していた。(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
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