2024年 4月 20日 (土)

「コロナウイルス」商標出願 無関係とみられるが...社長「将来的な使用を計画」

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   新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「CORONA(コロナ)」「CORONAVIRUS(コロナウイルス)」の文字商標が出願されている。

   出願した会社経営者の男性は、将来的な使用などを見込んでいるというが、専門家は「審査に入らず却下処分になるでしょう」と話す。

  • 新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真 (国立感染症研究所提供)
    新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真 (国立感染症研究所提供)
  • 新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真 (国立感染症研究所提供)

過去には紅白、アナ雪も

   出願したのは、大阪府にあるベストライセンス社の上田育弘社長。2020年2月20日に出願された。3月20日に特許庁のデータベースで公開され、現在は「審査待ち(方式未完)」となっている。

   上田氏と会社の名前をデータベースで調べると、8500以上の出願履歴が見つかった。「8Kテレビ」「紅白歌合戦」「アナと雪の女王」など、同社と関係ないとみられるものばかりで、確認できた範囲ではほぼ全てが「審査待ち(方式未完)」だった。

   商標問題に詳しい弁理士は、J-CASTニュースの取材に「これらの出願は所定の料金が払われていません。『方式未完』とはそれを意味します。今後も支払われることはないと思いますので、審査に入らず却下処分になるでしょう」と指摘する。

   出願料は1件あたり少なくとも1万2000円で、支払いがないと半年ほどで取り消される。特許庁の担当者は「この方は、支払われないでこのまま却下処分されるのが続いている」と取材に明かす。仮に支払いがあった場合、「基本的には審査をしてみないとわかりませんが、商標を使用する蓋然性が低ければ登録にはならない」という。

「コロナ撃退マスク」を例示

   上田氏は取材に、出願の一般的な目的は(1)自社の商品・サービスに使用(2)他社にライセンス提供(3)将来の使用に備えてあらかじめ出願ーーの3点だという。

   コロナ関連の出願の意図は、「将来的な使用を計画・企図しております。例えば、コロナウイルスを撃退するためのマスクなどの商品のデザインや技術などの開発・販売です」と答えた。

   特許庁は18年6月、他人の商標の先取りとなるような出願が一部で大量に行われているとして、注意を促す発表をしている。ただし、同月に施行された改正商標法で、手続き上の瑕疵のある先願がなされていても、後に出された出願をこれまでより早く登録できるようになった。発表では「ご自身の商標登録を断念する等の対応をされることのないようご注意ください」と案内している。

   現時点で出願自体の規制はないが、同庁の担当者は不適切な出願について「対策を考えていきたい」と答えた。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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