2020年 8月 12日 (水)

井上尚弥にはまだ「伸びしろ」がある 専門家が指摘する、さらなる進化の可能性

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   ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)が2020年4月10日、27歳の誕生日を迎えた。

   12年10月のプロデビュー以来、無敗のままライトフライ級、スーパーフライ級、バンタム級と、世界3階級を制覇。自身が公言する35歳での引退まであと8年。世界の「モンスター」はどこまで進化するのか。井上の強さに迫ってみた。

  • 井上尚弥
    井上尚弥
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昨年のドネア戦の左ボディーが井上の真骨頂

   井上のボクシングキャリアを改めて振り返ってみると、アマチュアで7冠を達成し、通算成績は75勝(48KO・RSC)6敗。プロでは19勝(16KO)無敗と、ほぼ完ぺきなレコードを残している。アマ、プロ通じて際立つのがKO率の高さだ。軽量級離れしたパンチ力が、そのまま数字に表れている。

   ボクシングはパンチ力のある選手が優位となるが、必ずしもパンチ力がKOに結びつかない。KOを演出するには、パンチを出すタイミング、角度、スピードなど様々な要素が求められる。井上の場合、けた外れのパンチ力に加え、KOに必要とされるこれらのテクニックが備えられ、体のバランスも良くスムーズにコンビネーションが出るのが特徴だ。

   海外メディアから称賛の嵐となった昨年11月のノニト・ドネア(フィリピン)戦は記憶に新しい。勝負は判定までもつれ込んだが、11回にドネアからダウンを奪ったシーンは井上の真骨頂といえるだろう。右アッパーは空を切るも体はブレず、腰の入った左ボディーを叩き込んだ。回転の速さと瞬時の判断力。いずれも世界最高峰のものだった。

「井上選手には欠点が見当たりません」

   井上の攻撃力を語る上で欠かせないのが防御技術の高さだ。決してカンだけに頼ることなく、パンチを見極め寸前でかわす。防御技術に優れているからこそ、「危険」な距離に踏み入ってパンチを打つことができ、パンチをもらうことなく相手を倒す。世界トップレベルの防御技術が、井上の攻撃力を後押ししている。

   バンタム級は「黄金のバンタム」と呼ばれ、歴代の日本人王者は、ファイティング原田をはじめ、辰吉丈一郎、長谷川穂積、山中慎介らそうそうたるボクサーが名を連ねる。無尽蔵のスタミナを誇った原田、カリスマ的存在の辰吉、世界3階級制覇の長谷川、「神の左」と称された山中。いずれもボクシング史に残る名王者だが、井上は27歳にしてすでに名王者の仲間入りを果たしたようにみえる。

   これまで数多くの世界王者を育てた実績を持つ協栄ジムの金平桂一郎会長(54)は井上の実力について「ありきたりな言葉になってしまいますが」と前置きし、「井上選手には欠点が見当たりません。ここがダメというところがない。こういう選手は当分、出てこないでしょう」と語った。

「25歳以降に進化する選手が多くなっている」

   また、金平会長は井上の潜在能力についても言及。「ここ10年ほどの傾向からいえば、25歳以降に進化する選手が多くなっている。今はトレーニングの方法など昔とは大きく異なり、27歳は年齢的にも伸びしろがあります。30歳以降に体と心が成熟し、大きく花開くケースもあります。井上選手もこれからが楽しみですね」と話した。

   新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月25日に予定されていたWBO王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)との統一戦は延期となったが、王座統一へ向けてモチベーションは保っている。バンタム級にはドネア、ギレルモ・リゴンドー(キューバ)らタレントが揃っており、ビッグマッチの可能性を秘める。

   27歳にして世界3階級制覇、4本のベルトを腰に巻いた「モンスター」。歴代の日本人世界王者が成しえなかった本格的な米国進出、そして4団体王座統一。プロキャリアのゴールに設定する35歳までの8年間で、井上の2つの拳はどのような「物語」を紡ぐのか。夢は広がるばかりだ。

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