2020年 7月 10日 (金)

YouTube広告が「無法地帯」化 アダルト、情報商材、怪しいサプリ...背景にコロナ禍か

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   「最近のユーチューブの広告が酷すぎる」「無法地帯すぎない?」──。今年の3月以降、動画配信サイト「ユーチューブ」の広告に関する苦情が相次いで寄せられている。性的表現を含むなど不適切な広告が散見され、サイトの健全性が失われつつあるとの指摘だ。

   専門家はその背景に、新型コロナウイルスによる広告単価の低下があると考察する。

  • 6月9日に表示された脱毛クリームの広告。露骨な性的描写が確認できる(モザイクは編集部)
    6月9日に表示された脱毛クリームの広告。露骨な性的描写が確認できる(モザイクは編集部)
  • 6月9日に表示された脱毛クリームの広告。露骨な性的描写が確認できる(モザイクは編集部)

視聴時間大幅アップも...

   ユーチューブを運営するグーグルを傘下に持つ米アルファベットの2020年第1四半期(1~3月)の決算発表によれば、新型コロナで2~3月のユーチューブの視聴時間は「大幅に伸びた」(サンダー・ピチャイCEO)とし、ユーチューブ広告の売上高は前年比33%増の約40億ドル(4300億円)だった。

   一方で、広告主の減少などでクリック単価が下がり、3月には広告収益が大幅に鈍化したと明かしている。

   発表を裏付けるように、プロサッカー選手でユーチューブ活動もする本田圭佑氏は4月24日、「Youtubeの広告価格が40%近く下落してる」などとツイート。ユーチューバーの大手マネジメント会社「UUUM」も4月中旬、国内企業の広告出稿の自粛などの影響を受ける可能性を考慮し、今期の業績予想を下方修正している。

   そうした情勢と連動する形で、SNS上では3月後半ごろからユーチューブの動画広告への苦情が目立つようになった。

いきなり性的動画

   SNS上に苦情とともに投稿された広告のキャプチャーを確認すると、主に(1)脱毛クリームやスカルプシャンプー、脂肪燃焼をうたうサプリメントなど、いわゆるコンプレックス商材(2)人気ゲームを模倣したスマートフォン向けアプリ(3)情報商材――の広告が問題視されている。

   特にコンプレックス商材は、性的なイラストを使った訴求が多く、突然表示されて困惑したとの声が少なくない。容易に痩身、筋肉増強、豊胸効果が得られるような表示をするサプリメントの広告もあり、景品表示法(優良誤認)や薬機法の観点からも議論を呼びそうだ。

   記者がウェブブラウザ「グーグルクローム」のシークレットモードで、ユーチューブ動画を閲覧したところ、6月9日時点でも(1)(3)の広告を確認できた。

   公益社団法人「日本広告審査機構(JARO)」は取材に対し、ユーチューブを含むインターネット動画広告への苦情は4月に86件(前年同月は10件)、5月に64件(同15件)あったと明かす。健康食品、オンラインゲームの広告に関する苦情が目立ったという。

審査が追いつかない?

   ITジャーナリストの高橋暁子氏は取材に、前述の広告が目立つようになった理由をこう指摘する。

「ユーチューブ広告は入札式なので、入札があればあるほど単価が高くなります。ですがコロナ禍で企業が広告宣伝費を減らした結果、広告出稿が激減し、広告単価が減ったことであやしい広告が増えてしまったと考えられます」

   グーグルは広告を公開前に審査しているはずだが、機能していないのか。

「広告はコンテンツ(一般の投稿動画)と基準が違い少し甘いです。コンテンツは細かな規制を設け、違反したものは削除されたり、広告がつけられなかったり、あるいは広告はついても単価が下がるなどの措置を取ってきました。大きなプラットフォームに成長し、批判が集まった(※)ために細かな対策をしなければいけませんでした。広告については、そうした基準の差に加え、現状では審査を厳しくすると広告が埋まらなくなってしまう恐れもあります。そのほか、視聴数が急増していて審査が追いつかない面もあるかと思います」

   ※例として、ヘイトスピーチや過激思想を主張するユーチューブ動画に広告が掲載されていたとして、17年3月に米大手企業が相次いで広告を取り下げる騒動があった。

   広告出稿がコロナ以前まで回復するにはどれくらい時間がかかるのか。今後の見通しについて高橋氏は、「広告は徐々に戻って来ていますが、経済的にはまだこれからです。特にグーグルの本社があるアメリカがかなりの痛手を被っていることもあり、完全に戻るまでにはもう少し期間が必要だと思います」と予想する。

グーグルの見解は

   グーグル広報部に見解を問うと、

「Google では、広告をすべてのユーザーにとって安全かつ適切なものに保つために、システムによる自動評価と人による評価を組み合わせて、掲載される広告はGoogleの広告ポリシーに準拠していることを審査しています。このポリシーでは、性的描写が露骨なコンテンツ、著作権で保護されたコンテンツを不正に使用する広告、薬機法や景表法なども含め、広告掲載地域の法規制に準拠しない広告は禁止しています」

とメールで回答。コロナ禍による審査の不備の有無については、明確な回答はなかった。

   広報は「ユーザーにとって安全で利便性の高い環境を構築するために、表示された広告に関するユーザーからのご意見を傾聴しているほか、オンラインのトレンドや実践手法の変化、業界標準や規制の変更についても継続的に確認しています」とし、ポリシー違反の可能性がある広告を見つけたら、https://support.google.com/google-ads/contact/vio_other_aw_policyに報告するよう求めている。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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