2024年 4月 25日 (木)

「立憲」か、それ以外か 合流協議「最後通牒」も...新党名案に「国民」反発

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   立憲民主党と国民民主党の合流に向けた動きがヤマ場を迎えている。立憲の福山哲郎幹事長は2020年7月15日に国民の平野博文幹事長と国会内で会談し、両党を解党した上で「新設合併」方式での新党結成を提案した。

   立憲側の提案では、新党の党名は「立憲民主党」で、通称・略称は「民主党」。党名などについて交渉の余地について問われた枝野幸男代表は「是非これにご賛同いただきたい」などと繰り返し、事実上の「最後通牒」だ。一方の国民側は「立憲」「国民」以外の名前を望む声が相次いだ結果「党名についても民主的な手続きを経て選んでいく」ことを求める考えで、両者が折り合えるかは未知数だ。

  • 立憲民主党は国民民主党に対して5項目の「申し入れ」をしている。両党が解党して新党を結成し、党名を「立憲民主党」とすることが柱だ
    立憲民主党は国民民主党に対して5項目の「申し入れ」をしている。両党が解党して新党を結成し、党名を「立憲民主党」とすることが柱だ
  • 立憲民主党は国民民主党に対して5項目の「申し入れ」をしている。両党が解党して新党を結成し、党名を「立憲民主党」とすることが柱だ

提案は「両立困難とも言える命題を解決する上での苦渋の判断に基づくもの」

   立憲・国民の両党では、6月18日の通常国会閉会後、幹事長間で水面下での協議が続いてきたが、「事実ではない報道がなされた場合、合流協議に疑心暗鬼が生まれ不信感が生まれるとの懸念がある」(立憲)として、改めて文書で正式に提案することにした。「申し入れ」と題した7月15日付の文書では、両党が解散して新党を結成することや、新党名を立憲民主党とすることなど5項目を列挙。「すみやかにご回答いただきたく存じます」としている。

   枝野氏は7月16日朝に記者会見し、党名を「立憲民主党」にする理由を

「立憲主義を取り戻し、立憲主義に支えられた真の民主主義を実現することの必要性と重要性は、私自身の一貫したゆるぎない確信であると同時に、共同会派のすべての仲間で共有されている根本理念であると考える。『立憲』という、安倍自民党との明確な対立軸を党名で示すことは多くの皆さんにご理解いただけるものと信じている」

などと説明。略称・通称として提案した「民主党」については

「国民民主党さんの略称であると同時に、かつて政権を担った政党の名称として、一定の知名度もある」

とした。

「何とかまとめるという発想はないのか。これが最後通牒なのか」

   枝野氏は、今回の提案は「パッケージとしての提案」だとして、

「ゼロから立ち上げた立憲民主党を、これまで、草の根から支えてきてくださった皆さんの信頼と期待に応えつつ、政権の選択として幅広い力を結集する責任を果たすという、両立困難とも言える命題を解決する上での苦渋の判断に基づくものだ」

などと説明。内容面では交渉の余地がないとの立場を繰り返した。

   例えば、国民側から「党名は譲れない」という反応があった際の対応を問われると、

「今回、今申し上げたとおりの様々な状況を踏まえて、パッケージとしての提案をさせていただいた。ぜひ、これをお認めいただきたいと、こちらとしてはお願いするに尽きると思っている」

と応じ、記者の

「もう少し幅のある形で提案をして、何とかまとめるという発想はないのか。これが最後通牒なのか」

という確認には、

「この半年間、様々な経緯、特に、この3週間、幹事長に水面下で色々やってきていただいているという状況の中で、私どもとしては、今回の提案を是非、国民民主党さんにもご理解いただきたいとお願いするのが、今の状況」

と答え、「最後通牒」との見方を否定しなかった。

「立憲」「国民」は「この間の3年間の、ある意味での確執を思い出させる名前」

   提案を受けた側の国民・玉木雄一郎代表は同日午後に会見。党名をめぐる立場の違いが改めて浮き彫りになった。玉木氏は、

「両党をいったん解党して新党を作って新しいスタートを切るということについては評価をしている」
「代表を新しく選んでいくことも賛成」

などと提案自体は前向きに評価する一方で、党名には異論を唱えた。

「であれば、党名についても民主的な手続きを経て選んでいくということをした方が、これまでの過去にとらわれないで、より未来に向けた新しいスタートが切れるのではないか」

   こういった国民側の立場を7月16日中に平野氏を通じて立憲側に伝える考えだ。

「代表と当時に党名も新しく選ぼう、ということを、我々から提案させていただきたい」

   記者会見直前に行われた役員会では「民主党」を推す声が多数を占めたという。国民は、立憲との協議にあたって(1)衆参一体となって取り組む(2)対等な立場で交渉・協議していく(3)前提として参院で信頼醸成の努力をする、の3つの原則を求めてきたことを念頭に、参院側からは

「信頼醸成を図る上でも、やはり名前は、立憲でも国民でもない、この間の3年間の、ある意味での確執を思い出させる名前以外の方が、みんながすんなり結集できるのではないか」

といった声もあがったという。

   国民側が言う、党名を決めるための「民主的な手続き」は、国会議員による投票などを念頭に置いている。立憲への合流を模索する国民所属の議員や、立憲の方針によっては、仮に投票が行われたとしても、「立憲民主党」になる可能性もある。

   政策面のすり合わせも課題になりそうで、玉木氏は

「あまり細かいことについて、個別政策について必ずしも合意する必要はないと思うが、大きな方向性として、経済政策と憲法についての基本的考え方ぐらいは、やはり新しい党を作る以上は、一致点があるべきだと思うので、そこについての考え方は示させていただきたい」

と述べている。一例が消費税減税に対する考え方だ。玉木氏は7月15日の記者会見で、野党が消費減税でまとまれば「大きな結集の旗頭にはなると思う」と述べたのに対して、枝野氏は7月16日午前の会見で

「今回の件と直接関係がない個別政策の話なので、今回の会見にからめて発言することは避けたい」

とするにとどめている。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中